託す思い ページ5
世「キティさん…空港の封鎖はどうなったんだ？」
キティさんは僕の質問に反応して顔を上げる。
「警備員にお願いして全ての出入口を封鎖してもらった。そして、警察が来るまでは絶対に空港職員も含めて誰1人として外に出すなとお願いしてある。」
世「了解。だったら、僕は行くよ。ここに居ても僕に出来る事はないし。」
「お、おい待て！まだAの手術は終わってないんだぞ？それまでお前が付き添ってや」
世「それはキティさんに任せるよ。僕には他にやらなきゃいけない事があるからさ。」
それを聞くと、さっきまでの落ち込んだ姿が嘘みたいに、キティさんは随分と落ち着いた様子で僕に尋ねてきた。
「空港に向かうのか？」
それはまるで、僕がこう出る事を察していたみたいだった。だが、今はそんなこと気にしている場合ではない。僕はいつもの調子で笑って見せる。
世「ああ！Aがやり損ねた片付けを代わりにしてやんなきゃいけないからね。…Aなら……しぶといし絶対に大丈夫…。今の内にあいつに一つ貸しを作っておくのさ！」
そう言って僕はそそくさと屋上から立ち去った。正直、この場を離れる事が不安でないはずはない。もしあいつに何かあったらと考えてしまう。でも…これでも僕とAは長い付き合いだ。だから、今すべきなのは何かと聞かれたらきっとAも同じ答えだという確信があった。
世(A…少し癪な部分はあるけど、後は任せとけって！倍にして返してもらうから覚悟しとけよな！)
バイク目指して病院を駆け下りる。そんな中、僕は僅かに残る不安を吹っ切る様に何度も自分に言い聞かせる。
世「A…僕の血も分けてやったんだ。死んだりしたら絶対に許さないからな！このヘタレ金髪！」
〜屋上では〜
「……Aの言う通り、空港に向かったな。……しかし、薄れゆく意識の中で彼女を呼べだなんてな…」
1人屋上に残されたキティさんの脳裏に三発の銃弾を浴びて意識が朦朧としていた時のAの言葉が蘇る。
貴『真純…を、呼んでくれ…。…真純なら必ず…事件の捜査に加わるはずだ…』
自分が死にそうな時に事件の捜査を託そうとするなんて…Aがそれほどまでに彼女に何を訴えたかったのか…たぶん自分には分からない大きな決意と思いがあるのだろう…
キティさんは深く考えるのを辞めて、手術室前へと戻るために立ち上がる。
(お前が空港に向かう途中の車内で言っていた事は…本当だったみたいだな)
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ヒロ(プロフ) - 続きが滅茶苦茶気になります。更新楽しみに待ってます (2020年4月27日 18時) (
レス) id: 0b6c256cc4 (このIDを非表示/違反報告)
vile - 真純が日本へ発つ覚悟を決めた！原作知識で２人で来日するのは分かってますが、サイドストーリー的な感じで、続きがメチャメチャ気になります!!更新を楽しみにしてます♪ (2018年6月23日 13時) (携帯から) (レス) id: 66be3b6d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢代ゆうま | 作成日時：2018年4月27日 3時
