揺るがない信頼 ページ17
嘘じゃない。これが僕の本音だ。ただ、Aは目を丸くするばかり。僕はちょっと照れ臭くなって目をそらす。それでも、ちゃんと本音をAに伝えると決めていたから、気恥ずかしさを堪えてなんとか言葉を紡ぎ出す。
世「お前の事は…ちゃんと信用してる。さっきの仮説はともかく。前に言ってたお前の仮説を…状況を打開できるというお前の言葉を…僕は信じている。」
やっぱり少し棘のある言い方は抜けなかった。でも、今の僕に言える最大限の素直な言葉はこれが限界だ。他の人なら平気なのにこいつ相手だとどうしても素直な言葉がスルスル出て来てくれない。
Aはというと、僕が言い終わるや否やゆっくりと上体を起こす。とても嬉しそうに瞳を輝かせているその姿から、さっきの言葉でAは全てを悟ったのだろう。
貴「って事は…メアリーさんの事も説得できたのか！？」
世「う、うん…」
貴「マジか！あのメアリーさんがねぇ。一体なんて言って説得したんだ？」
世「 ！ そ、それは…」
貴「ん？なんで急に背を向けんだ？それくらい教えてくれよ！」
世「別にいいだろ！お前もママにちゃんと信頼されてるって事なんじゃないか？」
駄々っ子のみたいに騒ぐAを適当に遇らうも、Aは納得いかないといった様子だ。
この時、僕はママを説得する時のやり取りを思い出していた。
〜〜〜
メ『それがどれだけ危険な事か、承知の上で言っているのか？』
世『うん、もちろんだよ。』
メ『なら、私がそんな提案を受け入れる訳がないということも分かるだろ。現状を打開できるという確固たる根拠は何処にある！』
世『根拠ならある！充分信頼出来る根拠が！』
メ『…言ってみろ』
世『Aがそう言っていた！僕が一番信頼している相棒がそう言っていたんだ！日本に戻れば現状を打開できるって！』
メ『私情を挟んだ判断は』
世『Aだって理由もなくあんな事は言わない！！』
メ『！』
世『ママが何て言おうと、僕はあいつを信じる。ママだって見たでしょ？あいつのノート。あいつが動き出したのはそれだけの確信と決意があったから。何より…あいつは僕達の為に動こうとしてたんだ！あいつのその思いに僕は応えてやりたい！』
メ『……』
世『あいつは証明したかった。この国にいるだけじゃ何も変わらない。危険だと分かっていても日本に行く事で必ず止まった時が動き出すって！…あいつの思いに、今度は僕らが応える番なんじゃないの、ママ？』
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ヒロ(プロフ) - 続きが滅茶苦茶気になります。更新楽しみに待ってます (2020年4月27日 18時) (
レス) id: 0b6c256cc4 (このIDを非表示/違反報告)
vile - 真純が日本へ発つ覚悟を決めた！原作知識で２人で来日するのは分かってますが、サイドストーリー的な感じで、続きがメチャメチャ気になります!!更新を楽しみにしてます♪ (2018年6月23日 13時) (携帯から) (レス) id: 66be3b6d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢代ゆうま | 作成日時：2018年4月27日 3時
