目を覚ました友 ページ14
〜〜2日後〜〜
まだ薄暗さが残る朝の空。雲は多いけど、晴れ間がのぞいていて光のカーテンを作り出す。
世「おはようー」
「おはようございます」
すれ違う看護師に挨拶を交わして、僕は集中治療室へと向かった。
まだ朝早いのもあり、廊下には患者の姿は殆どない。階段を上がる間も、廊下を進む最中も院内はしーんと静まり返っている。…とは言ってもそれは治療室に近付くまでの話。
貴「お願いだよ〜！頼むから外で遊ばせてくれって！」
看「ダメに決まってるじゃないですか！」
貴「せめて外の空気を吸わせてよ！このままじゃ息が詰まっちゃうって！10秒、いや5秒だけでも良いからさ！」
看「だ、ダメです！」
貴「そんなぁ〜〜…」
ビュンッ！ゴンッ！
貴「イダァアアッ！！」
治療室に風を切る良い音と共にAの絶叫が木霊する。頭をさすりながら、Aは投げつけられた物を手に取り、僕を睨みつけてきた。
貴「真純コラ！重傷患者を労わるって事を知らねぇのか！」
世「重傷の人間は外で遊ぶ余裕なんか無いっての！」
怒鳴るAに僕も怒鳴り返した。僕の方が正論だったのでAは反論も出来ずに悔しそうに歯を食いしばる。
貴「ぐぬぬぬッ！やる事は暴力的なのに言ってる事は正論なんだよな。ちくしょー」
世「褒め言葉として受け取っとくよ。ほら、それ返せってば。」
そう言って、Aに投げつけた物を奪い返す。すると、Aが急に目を輝かせた。
貴「お！缶コーヒーじゃん！俺にくれよそれ♪」
さっきまで自分の手に持っていたのに分かっていなかったのか…。
子供の様に手を伸ばしてくるAだが、容赦なくその手を引っ叩いてやった。
パシッ！
貴「痛え！」
世「これは僕のだよ。お前に買ってやったわけじゃない。…ってあーあ。缶が凹んじゃってんじゃん。相変わらずの石頭…」
貴「はぁ！？お前が思いっきり投げたからだろうが！人を馬鹿みたいに言うな！」
世「…違ったっけ？」
貴「違うっての！こう見えても俺は結構優秀なんだぞ？いい加減にそこは認めてくれねえかな？」
ベットの上でドンと胸を張るAをジト目で見つめる。一体この自信はどこから湧いてくるんだか…。
世「ドアに顔面から激突した奴が優秀だと？」
貴「なっ！馬鹿と天才は紙一重って言うだろ！」
世「…それ、絶対お前の台詞じゃない」
馬鹿扱いで怒ってた癖に……ある意味天才ではあるか。『ある意味で』だけど…。
看「あ、あのー…」
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ヒロ(プロフ) - 続きが滅茶苦茶気になります。更新楽しみに待ってます (2020年4月27日 18時) (
レス) id: 0b6c256cc4 (このIDを非表示/違反報告)
vile - 真純が日本へ発つ覚悟を決めた！原作知識で２人で来日するのは分かってますが、サイドストーリー的な感じで、続きがメチャメチャ気になります!!更新を楽しみにしてます♪ (2018年6月23日 13時) (携帯から) (レス) id: 66be3b6d69 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：矢代ゆうま | 作成日時：2018年4月27日 3時
