◆真紅の暴君−５２◆ ページ6
イラつきを抑えきれずに声をかければ、茂みをがさがさとかき分けたその人物がゆっくりと立ち上がり、ばつの悪そうな顔をして頭を掻いた。
『...！』
ひょこっと覗いた耳。
そして木の葉を頭に乗せた状態で立ち上がったその人物に、私はぎょっと目を見開いた。
寧ろ、何故声で気付くことが出来なかったのか...
そこに立っていたのは今後かなり厄介な相手になるであろうサバナクローの二年、ラギー・ブッチだ。
まさかのメインキャラの一人じゃないですかやだー←
え？私メインキャラに向かってめっちゃタメ語使ったわけ？
はっはっは.........土下座で許してもらえるかな(白目)
『す、すみません！！！まさか先輩だったとは...』
ラギー「あれ、オレのこと知ってるんスか？」
『いえ......一応一年生の顔を大体覚えてるだけで...覚えがなかったので、２年か３年生だろうなって。でも、隠れて聞いてるなんて...趣味が悪すぎます。俺陰でこそこそされんの嫌いなんですよ......』
前世、陰で私の悪口を言っていた若きピアニスト達のように。
......私がピアノで成功したのはそれだけ練習をこなしたからだ。
確かに過大評価が過ぎる人も多くて頭を悩ませられたけれど、努力もしていない人からの《嫉妬》は正直、目障りでしかない。
勿論ラギー先輩は私のライバルだとか、増してや同じ学年の生徒でもないわけだけど......
見ていたんなら、普通に声をかけてくれた方がどれだけよかったことか。
ラギー「ちょっと待って、声をかけられなかったのは...あ、あれ？！さっきまでそこに...」
『...青い鳥ならもうとっくに逃げちゃいましたけど』
ラギー「鳥じゃなくって...あれぇ...？君の周りに妖精がいたんスけど...」
『妖精って...妖精が人間嫌いで傍に近寄ってこないことくらい、入学したての俺でも知ってますよ...やだなぁ、新手の詐欺ですか？妖精が寄ってくるツボとか買わせるつもりですか』
ラギー「そんなんじゃねーから！！！」
冗談なのに、必死に手を振って否定するあたりが逆に怪しい。
...推しと言えども、狡猾なタイプの人には極力関わらないに限るし...
食い物にされる前にさっさと離れてしまおうと木から飛び降りれば、彼は驚いた顔をして「どっかいくんスか？」と私の背中を目で追った。
立ち止まり、振り返る。
なにそれ、癖なの？レオナ先輩が動いた時に反射で口から出るから、私にも同じこと言うの？ねぇ。
『...先輩に関係、なくないですか...？』←
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珠梨(プロフ) - 悉く、キャラやストーリーが大好きです。ゆったり、ゆったり、のんべんだらりとお待ちしておりますね。 (4月26日 23時) (
レス) @page12 id: ac62a72ef1 (このIDを非表示/違反報告)
マッスル紅 - 続きが気になるのぉ。どっかに続き落ちてないかの？ちと、過去作も見みたがとても良かったと思うぞ。 (3月29日 0時) (レス) @page12 id: 4e37b35646 (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - 宿題終わらない、、さん» コメントありがとうございます！こんな全然更新してないせいでhitもつかないような作品に辿り着き読んでくださっただなんて...嬉しくて涙がちょちょ切れそう((( 時間見つけて更新頑張ります！ (8月24日 11時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
宿題終わらない、、 - 最近見始めましたがとても面白いです！続き楽しみにしてます！頑張ってください!! (8月24日 2時) (レス) @page12 id: b929b7d821 (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - 共喰い@誰か・・・私に宿題の答えを・・・・さん» 神ではないですけど！！？ごく普通の凡人です（b） コメント本当に有難いです、全然更新出来なくて申し訳ない...！頑張ります！ (8月19日 12時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨水
| 作者ホームページ：http://hibiki
作成日時：2021年10月1日 4時
