カミツレ128 ページ9
翌日。
午前中の管内警備が終わり、12時少し過ぎに麻ちゃんを迎えに行く。
シフトが一緒だった手塚も含め、同期での昼食だ。
しかし、麻ちゃんはいなかった。
業務部女子たちによると、利用者の男性にランチを誘われたらしい。
郁が相手を見たいという野次馬精神を起こし、言うなれば手塚と私は巻き込まれ事故って感じ。
麻ちゃんたちが行ったという店に着き、郁が勢いよくドアを開ける。
「ちょ、郁、この店ドアベル…！」
言うが、時すでに遅し。
郁は思いっきりドアを開け、ベルがをたたましく鳴らしていた。
「あーあ。麻ちゃんに気付かれちゃった」
「俺まで…」
私と手塚は麻ちゃんに気付き、軽く肩をすくめて詫びる。
「何話してるんだろうねー」
お冷に口をつけながら麻ちゃんのテーブルを覗う郁に手塚がつまらなそうに答えた。
「話聞きたいならもっと近くに座ればよかっただろう」
「だってそんなの悪いじゃん」
「覗きに来てる時点で一緒だろ」
「だって相手がどんな奴か見たかったんだもん。での盗み聞きはやっぱりね、柴崎が乗り気だったら悪いし」
「女の倫理協定って基準がわからねえ」
「基準なんてものはないよ、私にもわからないし。でも女ってものは距離感を大事にする生き物なの」
「めんどくせえな。それに俺、こういう野次馬みたいなことイヤなんだけど」
「だって柴崎のことよ！あんただって知らない仲じゃないんだしさ、相手が変な男じゃないか心配じゃないの？」
「そりゃ、夜中に変な奴に攫われたとかならな。でも昼間の飯屋だろ。奴が初対面の相手に隙見せるとも思えないしなんでわざわざこんな…」
「心配はあんましてない。私はたんに興味があった、それだけなんだけどな」
手塚はあくまで迷惑そうだが、私は実際のところ、そうでもない。
最初は確かに巻き込まれた感がすごかったが、私も女だ、少しは友達を誘った男とやらに興味をもって当然だと思う。
「顔はまあかっこいいのかな。あたしらの趣味とは違うけど」
「でしょうね。ちなみに、私のしゅもでもないな」
「お前らの趣味は知らねえよ」
「何かね、最近よく来る人なんだって。目立つから女子はみんな知ってた」
「女ってつくづくそう言う話好きだよな」
「いやいや、男も似たり寄ったりでしょ」
「俺は興味ない」
「あんたみたいな特殊例のことは訊いてない」
「ふふ。手塚、変だって郁に言われてやんの」
「うるさい。まあ柴崎は人気あるよな。やっぱり。あいつ外面いいからな」
「外面は鉄壁よね」
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ひびひび(プロフ) - なーりんさん» 大変長らくお待たせしました…！そして待っていてくださってありがとうございます！！これから細々ではありますが、更新していきたいと思います、よろしくお願いします！ (2022年4月9日 22時) (
レス) id: 4f70747d5a (このIDを非表示/違反報告)
なーりん(プロフ) - 更新嬉しいです。ずっと楽しみに待ってました (2022年4月9日 5時) (レス) @page12 id: f918c3d779 (このIDを非表示/違反報告)
Ne - おもしろかったー!これからの二人のいちゃいちゃみたいです! (2021年7月10日 22時) (レス) id: 5823d18468 (このIDを非表示/違反報告)
ひびひび(プロフ) - レモンさん» 長い間、返信できず、申し訳なかったです…更新再開いたしましたので、今後とも是非楽しんでいただきたいです！！ (2019年12月26日 15時) (レス) id: 3bc670f8d9 (このIDを非表示/違反報告)
レモン - すごく面白いです！ これからも頑張ってください！ (2019年9月11日 23時) (レス) id: 23f3a4cd73 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ひびひび | 作成日時：2019年3月18日 9時
