カミツレ16 ページ17
ライブラリータスクフォースに配属された私たちの訓練期間は1カ月程延長され、奥多摩で射撃、野営をメインとしたメニューが組まれている。
何故野営をするのか玄田隊長に聞くと
「気分だ!」
もういっそ清々しいくらいに言い切られた。
んな堂々と言われても…
「あらゆる想定の訓練で多角的な技術の練成を目指すとともに厳しい訓練に耐えたことで隊員に自信を育む」
堂上教官が説明する。
でもさ、苦しいよね。理由になってないっていうか。
ってかここ、何にもないねぇ。辺り一面森!凄いよ、今時こんなに緑の中に居られるのって。
最初は射撃の訓練。指導役が変わらず堂上、小牧両教官なので私はすごい安心した。まぁ郁は代わり映えしないって不満だったけど。
「特殊部隊には狙撃手まで必要なんですか?」
ライフルを受け取りながら郁が聞く。
「日野の悪夢の再来に備えてだ」
「日野の悪夢?」
「お前、座学…」
目を剥いた堂上教官に教える。
「聴いてるわけないじゃないですか」
「何さも当たり前、みたいな言い方してんのよ!」
「え。だってそうじゃん。聴いてなかったでしょ、いつも」
「う…でも日野図書館なら知ってます!」
「それ、全然威張れることじゃないからね。それ知らなかったらただの図書館利用者以下だわ。っつうか友達としてあんたにそんなことも覚えさせなかった私たちが悪かった」
「ひでえ!」
私が早口でまくしたてると怒る郁。でもさあ言われても仕方ないんじゃないのー?
「笹塚の言う通りだ。日野図書館を知らんとか吐かしたら俺は自分のクビを賭けて司令にお前の免職を認めさせるぞ!当たり前のことでいばるな!」
私と堂上教官に散々言われた郁。それに周囲の隊員たちが爆笑する。
そんな中、小馬鹿にしたような失笑が聞こえた。隣に立った手塚だ。
あーあ。何だってそんなにいがみ合たいのさ。いちいち止めに行かなきゃなんない私の気持ちも考えてくれ。
「手塚、説明してやれ」
そんな堂上教官の言葉に郁は顔をしかめた。分かりやすいったらありゃしない。
手塚が片頬に勝ち誇ったような笑みを浮かべて郁をチラ見、そして口を開く。
「二十年前、正化十一年二月七日に___」
私は知ってるから聞かない。まあ、簡単に言えば今の図書隊が設立されるきっかけの事件ってこと。確か。
でも流石、手塚。スラスラ淀みなく説明できるなんてすごいね。
「お前、そのまま座学の教鞭取れるな」
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陽子(プロフ) - そうだったのですね…わざわざありがとうございました! (2017年7月31日 6時) (レス) id: 6132688738 (このIDを非表示/違反報告)
ひびひび(プロフ) - 良かった!名前が変わって!ご指摘ありがとうございました。稲嶺さんは原作では亡くなってないんです。何故か映画やドラマでは亡くなった設定だったのですが。私は基本原作で進めてるので…そこらへんはご容赦ください…! (2017年7月31日 4時) (レス) id: 9e629c565e (このIDを非表示/違反報告)
陽子(プロフ) - 名前変わりました!ちなみに、稲嶺さんは日野の悪夢で亡くなってませんでしたっけ?昨日DVDで観たとき、出てたような…間違えてたらごめんなさい(*- -)(*_ _)ペコリ (2017年7月30日 21時) (レス) id: 6132688738 (このIDを非表示/違反報告)
ひびひび(プロフ) - 陽子さん» 一応直せたと思います!下の登場人物設定のところで名前を入れていただくと変換できるようになってると思います! (2017年7月30日 8時) (レス) id: 9e629c565e (このIDを非表示/違反報告)
陽子(プロフ) - Σ(; ゚Д゚)ごめんなさい…分かりません。でも、変換できなければそれで大丈夫です。ありがとうございました! (2017年7月29日 23時) (レス) id: 6132688738 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ひびひび | 作成日時:2017年5月9日 4時