◆PROLOGUE−２◆ ページ7
つみきに手を伸ばす、何でもない動作。
それ以外に目立った動きをしたわけでもなく、ただ...「あれを取ろう」と考えただけだった。
そんな私の目の前で浮かび上がったつみきを目で追えば、つみきは空中でくるりとその向きを変えた。
驚き、手をひっこめる。それと同時に、浮かんでいたつみきはぽふりと音を立てて、地面に転がった。
今のは一体...？混乱しながら自分の両手を見やった途端、扉の方から母の甲高い悲鳴が聞こえて息を呑む。
母「きゃあああああ！！！」
『！？ッ...ち、がｯ』
仕事の合間に様子を見に来てくれたのだろう母が、今の奇妙な現象を目にしてしまった。
ドクン、と心臓が跳ね上がる。
慌てて立ち上がるも、口元を押さえ見開いた目で自分を見下ろす母を見て、近づくことすらためらった。
違う、違うんだよ。
私、やりたくてやったわけじゃ、ないんだ。
...脳裏によぎるのは前世の両親の事。
あの失望した目。
この人たちにまで嫌われたらっ......私は─────！
母「お父さん早く来て！」
父「なんだなんだっ、一体どうしたんだそんなに慌てて！？」
母「エドが今、積み木を宙に浮かしていたの！魔法を使ったのよ！」
父「な、なにぃ！？」
これまでの私は、自分は日本ではない《異国》に産まれただけだとばかり思っていた。
しかしそうではない。
ここはきっと、私が前にいた場所とは全く別の《世界》。
...魔法を恐れることなく、両親は逆に、私に魔法が発現したことを心から喜んでいた。
つまりこの世界に、《魔法》は存在しているのだ。
私はただ転生したわけではなかったらしい。
ライトノベルでありがちな...前世の私が大好きだった...
『(これってまさか、《異世界転生》ってやつ〜〜〜〜っ！！！？？)』
...まさか自分が、某有名異世界召喚もの主人公と似たようなセリフを言う羽目になろうとは。
人生というのは本当に、何が起きるかわからない。
◆∞------------------∞◆
母「ｳｯｳｯ、こんなに立派になって...っ誇らしいわ...！」
『母さんもう泣くのやめなよ......』
父「本当に行くのか...？確かに
『父さん！...平気だってば。俺だって勉強は人一倍してきたんだし、いざとなったら魔法で何とかするよ』
母「持ち物は大丈夫？ハンカチは持った？ティッシュは？口紅は？」
◆PROLOGUE−３◆→←◆PROLOGUE−１◆「異世界トリッパー！」
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雨水(プロフ) - だれかさんさん» コメントありがとうございます〜！！今後様々な事件が起きるにつれてマブ達との絆も深まってまいります！もっと面白く読めるよう尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします〜〜！ (2021年12月12日 1時) (
レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
だれかさん - おもろくてすきです (2021年12月12日 1時) (レス) @page47 id: e7b132919e (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - kanameさん» ありがとうございますwww今後もギャグパート、それ以外でも面白いと思って頂けるように頑張ります！！ (2021年12月6日 15時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 唐突に｢我がナ〇スの科学力はぁああ！｣のやつ出てきて吹き出しましたｗｗｗテンポ神すぎて笑いこらえれないｗｗｗ最高ですｗｗｗ (2021年12月6日 5時) (レス) @page18 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - フランとベルさん» 大正解です！本来の台詞を一部変更し、エドに叫ばせてみましたw (2021年11月4日 13時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨水
| 作者ホームページ：http://hibiki
作成日時：2020年12月4日 2時
