◆PROLOGUE−３５◆ ページ40
それは、黙りこんでしまった学園長の結論を待つ束の間の出来事である。
椅子に座り直した私の膝に遠慮なく腰かけるユウ。
男とも女ともとれない私(しかし顔はユウ好み)に大層安心しきっている彼女は現在、気疲れでもしてしまったのかまるでリラクゼーションを求めるようにして私の胸板に寄りかかり、ストレス解消ボールを触るが如く気安さで、にぎにぎと私の手を触っている。
......これ、私が完全に男だったら色々アウトの奴だなぁ(遠い目)
こういうのってさ、普通ラブラブのカレカノがするものであってさ。
今日出会ったばかりの友人同士にしては少し距離が近すぎる気がするわけよ、私としては。
ユウ、私が元女だってわかってからというものほんとに遠慮がなくなったな。
まぁ信頼してもらってるのは嬉しいけど、これ、万が一にも反応してしまったらと思うと気が気じゃないんだけど...
そもそも私の手ってそんなに面白い？...と不思議に思いながらその様子を眺めていれば、う〜んとわざとらしい声が聞こえて顔を上げる。
普通に声をかけてくれれば反応するんだけどな...と思わないでもないけど、先ほど空気を読めと言った手前でそれは酷な話かと思い直して話を促した。
しかし学園長の口調は何故か重々しい......
はて、先ほどまでの話のどこかに、何か頭を悩ませるような情報は入っていただろうか？
学園長「...君、転生したといいましたよね」
『え、まだ脳内その情報で止まってるんですか？......全部理解するまであと何時間？？』
学園長「茶化さずに......聞きたいことがあります。転生とは...つまり生まれ変わり。貴方.........前世では、１５歳で亡くなったってことですか？」
・
思わず「あ」という声が口から漏れ出た。
...私はなにも、眠っている間に身体を小さくされて別世界に飛ばされたわけではない。
《死んだ》から、転生したのだ。
(今まで誰にも話したことなかったから、完全に失念してた......！聞き手への配慮が足りてなかったんだ...私、自分の事しか......)
......今更になって気が付いた。
ユウもただ私の手を触ってたわけじゃなかったんだ...
転生への過程に気が付きながら、それを口に出すことを憚って不安を紛らわしていただけ。
.........私と他の人の考え方が違うのは、当事者と他人なのだから仕方がないこと。
でも、ユウの心に重苦しいものを残してしまったことに気が付いた瞬間...胸が、ずきりと痛んだ。
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雨水(プロフ) - だれかさんさん» コメントありがとうございます〜！！今後様々な事件が起きるにつれてマブ達との絆も深まってまいります！もっと面白く読めるよう尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします〜〜！ (2021年12月12日 1時) (
レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
だれかさん - おもろくてすきです (2021年12月12日 1時) (レス) @page47 id: e7b132919e (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - kanameさん» ありがとうございますwww今後もギャグパート、それ以外でも面白いと思って頂けるように頑張ります！！ (2021年12月6日 15時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 唐突に｢我がナ〇スの科学力はぁああ！｣のやつ出てきて吹き出しましたｗｗｗテンポ神すぎて笑いこらえれないｗｗｗ最高ですｗｗｗ (2021年12月6日 5時) (レス) @page18 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - フランとベルさん» 大正解です！本来の台詞を一部変更し、エドに叫ばせてみましたw (2021年11月4日 13時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨水
| 作者ホームページ：http://hibiki
作成日時：2020年12月4日 2時
