◆PROLOGUE−２９◆ ページ34
学園長「......さて、そろそろ話してはもらえませんか？君は何かを知っている。妙に落ち着いた態度といい、私が引き止めた時もあまり困惑せずにあの場に残りました。
...彼女がどうやってここに来たのか、どうすれば元居た場所に帰れるのか......貴方は、知っているのではないですか？」
『...』
一つ、落ち着くためにと息を吐き出し、そしてゆっくりと吸い込んだ。
本の紙とインクの香りが鼻腔いっぱいに広がって、懐かしきかな、前世で大事にしていた漫画たちを思い起こさせる。
......私が死んだ後、きっと全部処分されてしまったことだろう。
両親はああいう趣味をあまり歓迎してはいなかったようだし、ね。
『(......ユウはいつか、元の世界に戻れるんだろうな。ちょっと、羨ましい...ような)』
この世界で生き抜くために、私は自分にできることを精いっぱいやってきた。
ゲームの知識だってあるんだし、此処で生きていくこと自体に対して不満を持ったことは無い。
まぁ強いて言えば？...私を殺した誰かさんが今どうなっているのか、気にならないと言えばウソになるけど。
家族にもたっぷり愛されて育ったし、自分のしたいことは自分で決められるこの人生。
改めて、過保護ではあるけれど優しく愛情深いあの両親に心の底から感謝しなくちゃ。
愛って、きっとこの世の何よりも強い力だ。
こんな世界で歪まずに育ってこれたのもすべて、あの柔らかな雰囲気の家族に囲まれて育ったお陰だろうし...
......プリンセスたちが真実の愛のキスで目覚めたり、生き返ったり、呪いを解いたりする理由が今ならはっきりわかる。
愛している人に愛されること。それは大きな大きな、自信を生むのだ。
その自信がどんなパフォーマンスを生むかはポテンシャル次第......え、やだ、私の脳内ってもしかしてＲＳＡに近いの！？
それだけは絶対に嫌！！！←
脳内で明らかに今じゃない葛藤を展開しながら、一旦落ち着こうと深呼吸。
...何はともあれ。
元居た場所に戻りたいと思う女の子と、その可能性を探ることが出来て理解もある人間がこの場に揃ってるわけだ。
此処で私が元の世界至上主義みたいな、回帰希望者だったらよくある悪役令嬢みたいに彼女の邪魔をしたんだろうけど...
本の下で口角を上げ、はっきりと宣言する。
『...元の世界に帰る方法は、俺にはわからない......でも、俺は君を元の世界に帰すために、ご両親や友人の元に無事に帰れるように全力で手助けすると誓うよ』
◆PROLOGUE−３０◆→←◆PROLOGUE−２８◆「困惑アムネシア！」
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雨水(プロフ) - だれかさんさん» コメントありがとうございます〜！！今後様々な事件が起きるにつれてマブ達との絆も深まってまいります！もっと面白く読めるよう尽力してまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします〜〜！ (2021年12月12日 1時) (
レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
だれかさん - おもろくてすきです (2021年12月12日 1時) (レス) @page47 id: e7b132919e (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - kanameさん» ありがとうございますwww今後もギャグパート、それ以外でも面白いと思って頂けるように頑張ります！！ (2021年12月6日 15時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
kaname(プロフ) - 唐突に｢我がナ〇スの科学力はぁああ！｣のやつ出てきて吹き出しましたｗｗｗテンポ神すぎて笑いこらえれないｗｗｗ最高ですｗｗｗ (2021年12月6日 5時) (レス) @page18 id: 7565f8d7cb (このIDを非表示/違反報告)
雨水(プロフ) - フランとベルさん» 大正解です！本来の台詞を一部変更し、エドに叫ばせてみましたw (2021年11月4日 13時) (レス) id: c39e48623f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雨水
| 作者ホームページ：http://hibiki
作成日時：2020年12月4日 2時
