第29話 堕天 ページ30
あの時の傷はリカバリーガールに治してもらった筈だ。
痛々しい姿の兎月にかけるよるが反応が無い
顔を上げさせると、目は虚ろで目元には涙のあとが残っていた
『…誰？』
轟「兎月…助けにきた！」
『……ごめんなさいごめんなさいごめんなさい。もう負けない、もう逃げようなんて思わない、もう誰も愛さないから』
轟「…兎月」
怯えるように体を縮ませる兎月は壊れたように謝罪の言葉を述べていく
父「参拝客…では無さそうだな。童共」
「！！！」
『…ぁ、父上』
父「行くぞ、修行の時間だ…」
シュッとした顔立ちの男…兎月の父が乱暴に兎月の細い腕を掴んで連れていこうとするのを止めた
ｶﾞｼｯ
轟「……兎月からその手を離せ」ｷﾞｯ
父「…あぁ、お前が兎月の。残念だが、学校も辞めさせる。ヒーローなんてお遊びごっこも此処までだ･･･。さ、家に帰りなさい」
冷静で厳格な態度の男が兎月の腕を引く
轟「…兎月！お前、強くなるって言っただろ！自由が欲しいって…なら…なら抗ってみろよ！」
『…ｯ！』
兎月の足が止まる
父「…どうした。早く…」
『…嫌。嫌だ、焦凍……』
父「！！」
兎月は泣きながら父の腕を振りほどくと焦凍に向かって手を伸ばした
『…助けて』
父「兎月!!お前はこの家の…」
『違う。違う違う違う！僕は…僕は貴方の道具じゃない。なら………ねぇ、僕を見てよ』
･･･一瞬見えた兎月の瞳は、いつもの月のように綺麗な黄色では無く、どす黒い真っ赤な血のような色に変化していた
『…何？体が…痛い』
轟「…兎月？」
皆が見守る中、兎月の体が突如真っ黒な泥のようなものに覆われていく
死「…お、やっと出来上がったか」
((死柄木弔！！何で此処に…！))
黒霧と共に現れた死柄木は皆を見るとにぃ…と不敵に笑った
轟「…お前、兎月に何しやがった！」
死「おぉ、怖い怖い。…ただある個性をかけさせただけだが、予想以上の出来栄えだ」
黒い泥から現れたのは、白かった毛先は黒く、瞳は赤く染め上がり、透き通る程真っ白な肌の兎月だった
『ん？……この人達、誰だったけ？そこの忌まわしい男以外思い出せない』
黒い鞭を持った兎月は死柄木の元へと歩き出した
禍々しいオーラを纏った兎月は、俺達の知っている兎月とは全く違い、足が動かなくなる程の殺気を出している
『あら、父上…じゃなかった、糞爺。どう？これが貴方の望んだ結果。”私”が堕ちた姿だ』
堕ちた兎月はニコリと笑った
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エレン - んんんー焦凍に抱かれたいっ (2019年1月3日 0時) (
レス) id: 9cf5f7dc68 (このIDを非表示/違反報告)
黒夜(プロフ) - mayumiさん» コメントありがとうございました！嬉しすぎて枕ぶん投げました（笑）読みづらい場面も多いとは思いますが、最後までよろしくお願いしますね！ (2018年2月6日 19時) (レス) id: eead03add3 (このIDを非表示/違反報告)
mayumi(プロフ) - 最新話読みました。卯月ちゃんが堕天してしまいましたね。焦凍とこれからどうなっていくのか気になります。更新頑張って下さい (2018年2月5日 20時) (レス) id: afdc9987ac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒夜 | 作成日時：2018年1月5日 4時
