【ヒロアカ】拝啓私は今日、大切な貴方を殺します【轟焦凍】 (ページ15)

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今日は2人共私服に着替え、轟母の入院している病院へと向かった

焦凍の顔からは不安と緊張の両方の感情が見える。私も少し緊張しているのでお互い様だ

病院まではお互い無言だった。着くと看護師さん達は驚いた顔をしたが快く病室を教えてくれた

『…また今度でもいいんだからな』
轟「いや、お前が居るから大丈夫だ。…開けるぞ」

深呼吸をした焦凍が病室のドアを開ける
窓際の椅子に座っている女性が声に振り返る

轟「…お母さん」
「…焦凍」

多分無意識なのかそっと焦凍の後ろに隠れる。此処は私みたいな輩がいていい場所じゃ無い気がしたからだ。今すぐ逃げ出したかった

「…あら後ろの子は？もしかして冬美の言ってたお手伝いさん兼彼女さん？」
『はい。鳥居朱音です…初めましてお母様』

とても優しい声だ
焦凍より私の方が逃げたいなんておかしな話なのは分かっている

「焦凍、可愛らしい彼女さんを捕まえたのね」
轟「…まぁ普段はもっと口悪い」
『黙れ貴様…』

余計なお世話を言った焦凍の頭を軽く叩く。

轟「いつものお前だ！落ち着くな！」ｷﾗｷﾗ
『……もう1発殴るか？』
「ふふっ。仲がいいのね2人共」

緊張感が無くなっていた事にハッとする。

それからは普段のこと、学校のこと、お互いのことを沢山話した。

夕焼け空に変わった頃、病室で2人で話そうと言われた。断れないので焦凍には先に帰って貰った

「…今日もしかして嫌だった？ずっと浮かない顔してるから」
『…いえ、私の問題ですから。お母様は優しいですね』

「何かあったら言ってね？女になら話しやすい事もあるでしょう…頼って頂戴、私を」

窓から少し涼しい風が吹く
…私は思わず口を開いた

『…私は焦凍とずっと一緒には居れないかも知れません』

「どうして？」

『焦凍は今日貴方という鎖を解いた…。でも私は･･･どうしても家族を殺した兄を一生許せない。殺してしまいたい程に…』

手を力強く握り締める
『貴方達は私には眩し過ぎる。きっと私は焦凍を…貴方達を幸せには出来ない』

すると、お母様は優しく私を抱きしめた
何故か自然と目から涙が流れ落ちる

「…之まで1人で頑張ったのね貴方は。その気持ち私もよく分かるわ……でも、そんな悲しい事を言わないで。私はあんな幸せそうな焦凍を見れて嬉しかった。焦凍は貴方を愛してる。十分幸せよ」

私は初めて人前で本音を語った気がした
伝わってくる体温は温かくて…

私もいつか焦凍に心の中を話そう
鎖を解く為に