第一話 ページ2
キーンコーンカーンコーン.....
授業時間の終わりを告げるチャイムが鳴る。それに合わせてここ.....私立我々高校の生徒は一斉に昇降口に向かっていく。
だが一人、宿木 鈴だけは生徒たちと別方向に足を進める。
彼女が向かった先は、ひとつの空き教室だった。普段なら行かない場所に足を進める彼女は少し.....いや、とても異質だった。
ガラガラと音を立てながら扉を開けるとそこには二人の少女がいる。
鈴は二人と向かい合うように座る。
鈴「あ〜.....疲れたんじゃ〜.....」
そう鈴がごちると
響「お疲れ〜。今日も遅かったね〜。」
奏「まあ鈴は立ち位置的に生徒会の人たちにかまわれっぱなしだからね〜。私はモブなんでそんなことないんですけど！」
と、二人の少女が言葉を返す。
鈴「嫌味にしか聞こえねぇ.....」
響「さて、そろそろ始めるよ〜。時間は限られてるんだから！」
鈴「はいはい.......。それではモブ、ヒロイン、悪役による三大巨頭会議を始めまーす！」
「「「よろしくお願いしまーす！」」」
放課後、静まり返った校舎の一つの空き教室で少女たちの大きな声が響いた。
鈴「さてさて.....まずは生徒会の行動報告からしていこか！じゃあ.....奏ちゃん！どうぞ。」
奏「はーい！情報集めは自由に行動できるあたしの仕事だからね！それじゃあ資料を配りまーす！」
そう言い、手元にあった紙束を配り始める。これを作る暇があったらテストに向けての勉強をしたらどうなのか、そう思いながら各々資料をめくる。
鈴「相変わらず完成度高いな.....」
響「これどこから情報得てんのよ.....」
奏「ふふん、そうでしょそうでしょ〜？情報は.....裏ルートでとってるよ！はい、資料３ページ開いて〜」
鈴と響が呆れながら奏のことを見ているが気づいていないのだろう。淡々と情報を読み上げていく。
奏「コネシマ君についてだね。その資料見てもらえばわかるんだけどコネシマ君普段中庭付近の自販機いかないのに今日そこでおしるこ買ってたんだよね〜。」
響「おしるこ.....買うんだ。ちょっと意外かも.....」
奏「だよね！絶対何かある.....」
二人の少女が首をかしげて考え始めると、鈴が口を開いた。
鈴「それ頼んだの私だわ。」
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