元不登校児が32人。 ページ34
「前原！平気か！？」
去っていく彼らを黙って見つめている前原くんに杉野君はじめ私たちは慌てて駆け寄った。
「お前ら見てたんかい。…上手いよな、あの理事長。ことを荒立てずかといって差別もなくさず、絶妙に生徒を支配している。」
流石の前原くんも落ち込んでいるようでため息をつきながら空を見上げた。
「そんなことよりあの女だろ！とんでもねービッチだな！
…いやまぁ、ビッチならうちのクラスにもいるんだけど。」
杉野くんはどうやら相当頭に来ているようで血管を立てながら苛立ちを募らせている。
うちのクラスのビッチとはもちろん世界でも有数の色仕掛けを使う暗殺者、ビッチ先生のことだ
「違うよ。ビッチ先生は職業だから…ビッチする意味も場所も知ってるけど彼女はそんな高尚なビッチじゃない。」
そう。渚くんのいう通りだ。
彼女はただ自分の右隣にいてくれる男性が欲しいだけ。ビッチ先生とは大違い。
「いや、ビッチでも別にいいんだよ。好きなやつなんて変わるモンだしさ。気持ちが冷めたら振ればいい。俺だってそうしてる。」
「中三でどれだけ達観してんのよ。」
なんだかんだ言いながら、立ち上がる前原くんにハンカチを差し出す岡野さんは優しい。
「…けど。けどよ、さっきの彼女見たろ？一瞬だけ罪悪感で言い訳モードに入ったけど、その後すぐに攻撃モードに切り替わった。゛そういやコイツE組だった。だったら何言おうが何しようが私が正義だ゛…てさ。
なんかさ、怖いし悲しいよ。ヒトって皆ああなのかな。相手が弱いと見たら…俺もああいうことしちゃうのかな。」
そう言って俯く前原くんに誰も何も返せなかった。
一度考えたことがある。もしも私があのまま逃げずに受け入れていれば私はE組のみんなにどう接していただろう。
そうシリアスな雰囲気になった時、突然後ろからとてつもなく膨らんだ殺せんせーが現れた。
そんな殺せんせーにみんなが「殺せんせー！膨らんでる膨らんでる！」と驚くなか、殺せんせーは「仕返しです。」と怒りで膨らんだままいった。
意味が理解できず一瞬止まる渚くんをよそに、
「理不尽な屈辱を受けたのです。力なきものたちは泣き寝入りをするところですが…君たちには力がある。気付かれず証拠も残さず標的を仕留める暗殺者の力が。」
「ははっ…何考えてんだよ殺せんせー？」
「屈辱には屈辱を。彼女たちをとびっきり恥ずかしい目に遭わせましょう。」
そう言って笑う殺せんせーと渚くんたちの顔は、とてつもなくゲスかった。
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ぬん。(プロフ) - NENEさん» コメントありがとうございます！宿題のせいで全然更新できていませんがこれからもこの作品をよろしくお願いします…！ (2021年8月20日 2時) (
レス) id: fdbd1f8f99 (このIDを非表示/違反報告)
NENE - ぬん。さん» 滅茶苦茶いい作品です！！素敵な作品をありがとうっ！続きが楽しみです♪私も夏休みの宿題が………！！自由研究と植物画がまだだぁぁ！！！これからも頑張ってください！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん。(プロフ) - にゃふさん» ありがとうございます！最近夏休みの宿題が襲ってきて更新があまりできていないですが今日は更新したいと思ってマウス！コメントありがとうございます！ (2021年8月7日 9時) (レス) id: 56d8506feb (このIDを非表示/違反報告)
にゃふ(プロフ) - 2コメ失礼します！続きが気になるくらい面白いです！更新楽しみにしています♪ (2021年8月6日 14時) (レス) id: 2c9f18fc80 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん。(プロフ) - ちょこぱふぇ♪さん» いえいえ！応援ありがとうございます！ (2021年8月3日 20時) (レス) id: bba8427550 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬん。 | 作成日時：2021年7月29日 22時
