元不登校児が31人。 ページ33
まるでゲームの中の多重人格キャラのように、一瞬で。
「それに、E組の生徒は椚ヶ丘高校には進めないし遅かれ早かれ私達接点なくなるじゃん？
E組落ちてショックかと思ってさ、気遣ってハッキリ別れはいなかったけど...言わずとも気づいて欲しかったなァ〜。けどE組の頭じゃわかんないか！」
矢継ぎ早に前原君に反論する余地を与えず、自分の醜いところをどんどん曝け出しながら反撃していく彼女。さっきの無害そうな女の子とは大違いだ。
「おまえなあ...自分のこと棚に上げて」
流石の前原君も我慢できなかったのだろう、怒り顔で一歩踏み出すとあの女は怯えた顔で新カレの背中に隠れた。みっともない...
いいぞもっとやれ、と内心私は思ったが前原君はすぐさま新カレ君こと瀬尾君に蹴飛ばされた。あいつ...！
「わっかんないかなあ、同じ高校に行かないって事はさ、俺達お前に何したって後腐れないんだぜ？
オラ、ちゃんと礼言えよ果穂に！同じカサ入れてもらったんだからよ！」
ヒートアップした奴らは前原君を集団で足蹴にし始めた。
もう我慢できない、「あいつら..！」と私たちが乗り込もうとしたその時。
「やめなさい」
その言葉と共に高そうな黒い高級車が側に停止する。
そして、中に乗っている男の声を私は知っている。
思わず走りかけていた体が硬直するくらいには。
「理事長先生...！」
「ダメだよ、暴力は。人の心を...今日の空模様のように荒ませる。」
たった一言だけでリンチしていた奴らは動きを止めた。
「これで拭きなさい。酷い事になる前でよかった。」
そう笑いかけながら前原君にハンカチを差し出すその顔は笑っていたけれど、それ程優しい男ではないことを私は痛いほど知っている。
「危うくこの学校にいられなくなるところだったね。君が。
...じゃあ皆さん足元に気をつけて。さようなら」
そうして理事長は車に乗り去っていく。
私の方などチラリとも見なかった男を乗せた車を、私は睨みつけながら見送った。
「人として立派だな理事長先生。膝が濡れるのも気にせずにハンカチを...」とか抜かしてる本校者のがいるけど殴ってやりたい。私もこの学校にいられなくなるからやらないけど。
「あの人に免じて許してやるよ間男。感謝しろよ！」
「嫉妬して突っかかってくるなんてそんなに心が醜い人とは思わなかった。二度と視線も合わせないでね。」
心無い言葉に前原君は何も言い返さないまま、彼らは去っていったのだった。
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ぬん。(プロフ) - NENEさん» コメントありがとうございます！宿題のせいで全然更新できていませんがこれからもこの作品をよろしくお願いします…！ (2021年8月20日 2時) (
レス) id: fdbd1f8f99 (このIDを非表示/違反報告)
NENE - ぬん。さん» 滅茶苦茶いい作品です！！素敵な作品をありがとうっ！続きが楽しみです♪私も夏休みの宿題が………！！自由研究と植物画がまだだぁぁ！！！これからも頑張ってください！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん。(プロフ) - にゃふさん» ありがとうございます！最近夏休みの宿題が襲ってきて更新があまりできていないですが今日は更新したいと思ってマウス！コメントありがとうございます！ (2021年8月7日 9時) (レス) id: 56d8506feb (このIDを非表示/違反報告)
にゃふ(プロフ) - 2コメ失礼します！続きが気になるくらい面白いです！更新楽しみにしています♪ (2021年8月6日 14時) (レス) id: 2c9f18fc80 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん。(プロフ) - ちょこぱふぇ♪さん» いえいえ！応援ありがとうございます！ (2021年8月3日 20時) (レス) id: bba8427550 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ぬん。 | 作成日時：2021年7月29日 22時
