元不登校児が30人。 ページ32
その日、岡野さん杉野君茅野さん渚君、そして私という比較的珍しいメンバーで帰っていた。
「ねえ、あれ。」
突然岡野さんが左の方を指差す。なんだなんだと私たちが視線をずらすとそこにはE組のモテ男、前原君が椚ヶ丘中の女子生徒らしき娘と腕を組んでいた。
「一緒にいるのは確か...C組の土屋果穂。」
「相変わらずお盛んだね彼は」
とその様子を見ていると後ろの木から何やら気配が。
「ほうほう…前原君駅前で相合傘…と。」
…下世話なことに定評のある殺せんせーが何やらメモをとっていた。
「相変わらず生徒のゴシップに目がないな殺せんせー。」
「ヌルフフフ。これも先生の務めです。
3学期までに生徒全員の恋話をノンフィクション小説で出す予定です。
第一章は杉野君の神崎さんへの届かぬ思い。」
そんな小説出されても困るだけだが、殺せんせーならやりかねない。といっても今のところ私には恋話など縁のない話なので関係はないが。
「出版前になんとしても殺さねば」と自分の想いが暴露されたことでで赤くなる杉野君は置いておいて、「じゃあ前原君の章は長くなるね」と苦笑いしながら渚君が言う。
『そうね。モテる…というか女心を掴むのが上手いから一緒にいる女しょっちゅう変わってるしね。』
スポーツも万能で行動的なイケメン。普通の学校だったらさぞかし人気者だっただろう。
しかしそんな空気を壊すように、ある男が突然前原君達に声をかけた。
「あれェ？果穂じゃん。何してんだよ。」
「あっ！せ、瀬尾君！生徒会の居残りじゃ...」
「あー、意外と早く終わってさ。ん？そいつ確か...」
その男に声をかけられた瞬間に前原君を突き飛ばすようにして腕を離す土屋さん。
なんだか雰囲気が変わってきた。
「ち、違うの瀬尾君そーゆーんじゃなくて！
たまたまカサがなくてあっちから刺してきたから...」
焦ったように弁解を始める彼女に私達も冷や汗をかきながら見守っていた。
「あー...そゆことね。最近あんま電話しても出なかったのも、急にチャリ通学から電車通学に変えたのも。で、新カレが忙しいから俺もキープしとこうと？」
こういう時の洞察力は並外れているのか、淡々と述べていく前原君。
「果穂おまえ…！」
修羅場というのはこういうものか、とどこか冷静に考えていると
「そんなんじゃ…」
と罪悪感からか焦った顔で尚も弁解を続けようとする彼女の顔つきが急に変わった。
「あのね、自分が悪いってわかってるの？努力不足で遠いE組に飛ばされた前原君。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 118人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「暗殺教室」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ぬん。(プロフ) - NENEさん» コメントありがとうございます！宿題のせいで全然更新できていませんがこれからもこの作品をよろしくお願いします…！ (2021年8月20日 2時) (
レス) id: fdbd1f8f99 (このIDを非表示/違反報告)
NENE - ぬん。さん» 滅茶苦茶いい作品です！！素敵な作品をありがとうっ！続きが楽しみです♪私も夏休みの宿題が………！！自由研究と植物画がまだだぁぁ！！！これからも頑張ってください！ (2021年8月18日 21時) (レス) id: 1efb73ea53 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん。(プロフ) - にゃふさん» ありがとうございます！最近夏休みの宿題が襲ってきて更新があまりできていないですが今日は更新したいと思ってマウス！コメントありがとうございます！ (2021年8月7日 9時) (レス) id: 56d8506feb (このIDを非表示/違反報告)
にゃふ(プロフ) - 2コメ失礼します！続きが気になるくらい面白いです！更新楽しみにしています♪ (2021年8月6日 14時) (レス) id: 2c9f18fc80 (このIDを非表示/違反報告)
ぬん。(プロフ) - ちょこぱふぇ♪さん» いえいえ！応援ありがとうございます！ (2021年8月3日 20時) (レス) id: bba8427550 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぬん。 | 作成日時：2021年7月29日 22時
