SSSS ページ23
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「なんなん?そもそも何でそんないにキスしたいん?」
俺の問いかけに、侑李は背を向け、小さく丸まった。
「なぁ。なんでなん?言うてみ。」
なるべく声色を優しくして、後ろから頭を撫でてやる。
ピクリと小動物みたいに肩を揺らした後、少しだけ顔を上げてくれて。
「…言ったらしてくれる??」
って、可愛く尋ねて来た。
事と次第による。
なんて言ったら、頑固な侑李は間違いなく貝のように口を閉ざしてしまうだろう。
だから、何にも言わずに丸まった背中をさすってあげた。
「僕、もう二十歳だよ。」
「そうやな。早いな。」
「大人だよ。」
「ん〜…まぁ、大人かな。」
侑李がもう二十歳なんて、時の流れは早い。
同じだけ、歳を重ねているはずなのに、侑李だけあの頃のまま止まっている気がするのは、
俺の想いがそう錯覚させているだけなのか。
俺からしたら、あの頃からずっと変わらず子供のままなんやけどな。
なんて、言ってしまったら、ふてくされるだろうから言わないけれど。
「みんなに守られて、育っちゃって。嬉しいけど。でも、でも、」
「でも、なんや??」
「このまま、じゃ。子供のまま。」
おれは、ずっと子供のままでいたかったのに、無理に大人になったクチだ。
大人にならないと、生きていけなかったから。
だから、子供のままいることの、
それの何が、ダメなのか俺にはわからない。
いや、俺が侑李の立場だったら、
同じように早く大人になりたいって思ったのかな。
守られることなく生きて来た俺からすれば、羨ましい話だけれど、
守られすぎた侑李からすれば、それは窮屈で恥ずかしいことなのかもしれない。
俺の本音は。ずっと子供のままでいてほしい。
ずっと、このまま。このまんまの侑李で。
でもそれは、俺のエゴなのだろう。
「キスだけやぞ。」
「へ??」
「だから…キスだけな。」
「してくれるの??」
俺に向けてあげた侑李の顔があんまりのも可愛くて。幼くて。
自分の言ったことに、少しだけ罪悪感を感じた。
侑李のためなんて言いつつ、
本当は俺がしたかっただけじゃないのか。
可愛い侑李にそんなこと、本当にしていいのかって。
「ほら、目、瞑って。」
少しだけぶっきらぼうに言った言葉に、
侑李はちょっと不機嫌そうに頬を膨らましたのにも関わらず、
こちらの方に向き直して、素直に瞼をそっと閉じた。
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Yoko(プロフ) - ひびた。さまがなんか、再始動している感!嬉しいです!やっぱり私ひびた。さまのお話大好きーー!この知念くんの危なっかしい可愛さがもう、珠玉過ぎます。キミちゃーん!いけいけーーー!! (2019年6月3日 0時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - うおっっとぉ!キミちゃん!がんばってる!!「もっかいして」なんて言われちゃったら、大人としてどーしたらいいのかしらねぇ。うひひ。ゆうりちやんも必死 (2019年6月2日 23時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - みるみるみるきーさん» ゆーりさんの色仕掛け(*´∇`*)キミちゃんはまんまと乗るんですかねぇ〜。ふふふふふ(//∇//)☆ (2018年1月30日 22時) (レス) id: 3d951651f9 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - ヨウコさん» 好きだといってもらえて光栄です(*≧∀≦*)そういえば私もこのcpを他で読んだことないですね…マイナーcpですが書いていきたいと思います!!幸せになるかは…( ̄▽ ̄;) (2018年1月30日 22時) (レス) id: 3d951651f9 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あ、書き込もうとしたら…ヨウコだ!www。さて、キミちゃんは男になれるのか?どうしてもどうしても兄ちゃんなのか?!がんばれ、ゆーり!負けんなー! (2018年1月30日 20時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
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