SSS ページ3
・
「好きでも無い人にチューされて、笑顔を振りまいている僕なんか…。
もう、汚れた僕なんか、みんな好きじゃなくなってるもん!!」
そういって、泣かないように必死に耐えていたであろう瞳から涙があふれ出た。
ガツンと頭をハンマーで殴られた気分やった。
こんないたいけな子供に、俺はなにをしたんやろって。
可愛いってだけで。自分のもんにしたいってだけで。
この子の気持ちなんて何も考えんと…。
あぁ…俺は、本物のアホや。
好きでもない俺の腕の中で、
大好きなメンバーに嫌われたかもしれないと泣いている気分はいかほどのものか。
蝶よ花よと守られ育てられてきたこの子と、
幼少から荒波の中過ごしていた俺の14の頃とはきっとまるで違う。
住む世界が違いすぎて、この子の気持ちはわからないけれど、
俺は、この罪を一生をかけて償うべきだと思った。
「ごめん…ごめんなさい、知念くん。」
「ぅ…うっうっ…。」
泣き続ける知念くんに、情けないことに頭を下げ謝ることしかできない。
しばらく、背中をトントンと撫でながら、俺は謝罪するあらゆる術を考えていた。
どうすればいいんやろ…。
どうすれば、この子に償うことができるんやろう…。って。
「俺、責任とる。」
何分そうしていたのだろう。
急に俺はそう言葉を発した。
「ふぇ??」
「知念くんのファーストチューを奪った責任取るから。」
苦し紛れに突拍子もないことを言い出した俺に知念くんはやっと泣き止んだ顔を上げた。
「知念くんに、好きになってもらえるよう頑張る!!」
「??」
「俺が初めての相手で良かったなって、思ってもらえるような人間になる!!」
泣き止んだ、君の頬にうっすら残る涙の跡を拭いながらの俺の決意表明。
キョトンと不思議そうな顔をしていた知念くんだったけれど、
息荒く、そう真剣に宣言する俺の顔がおかしかったようで、プッと声を出し笑った。
「本気やで!!知念くんの大好きな大野くんみたいになるから!!」
まるで俺とはタイプの違う、知念くんの憧れの人。
なれないのはわかっていたけれど、少しでも笑顔になって欲しくて名前を出せば、
案の定、可愛らしい笑顔を向けてくれた。
俺の腕の中で、キャッキャと笑うその顔に、
頬に触れて、思わずまたキスをしたくなったけれど、
この笑顔を守るために、自分の気持ちは押し殺して生きようとその時に一緒に決意した。
・
90人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「Hey!Say!JUMP」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Yoko(プロフ) - ひびた。さまがなんか、再始動している感!嬉しいです!やっぱり私ひびた。さまのお話大好きーー!この知念くんの危なっかしい可愛さがもう、珠玉過ぎます。キミちゃーん!いけいけーーー!! (2019年6月3日 0時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - うおっっとぉ!キミちゃん!がんばってる!!「もっかいして」なんて言われちゃったら、大人としてどーしたらいいのかしらねぇ。うひひ。ゆうりちやんも必死 (2019年6月2日 23時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - みるみるみるきーさん» ゆーりさんの色仕掛け(*´∇`*)キミちゃんはまんまと乗るんですかねぇ〜。ふふふふふ(//∇//)☆ (2018年1月30日 22時) (レス) id: 3d951651f9 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - ヨウコさん» 好きだといってもらえて光栄です(*≧∀≦*)そういえば私もこのcpを他で読んだことないですね…マイナーcpですが書いていきたいと思います!!幸せになるかは…( ̄▽ ̄;) (2018年1月30日 22時) (レス) id: 3d951651f9 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あ、書き込もうとしたら…ヨウコだ!www。さて、キミちゃんは男になれるのか?どうしてもどうしても兄ちゃんなのか?!がんばれ、ゆーり!負けんなー! (2018年1月30日 20時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ