SSS ページ16
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「ごめんね、知念。知念には話しておきたくて…。」
なぜか泣き始めた僕を今度は涼介が宥めるように頭を優しく撫でてくれた。
「どうしようもないことなのにね、言ってしまいたくなったんだ。」
どこか諦めを含んだその声色に、僕はたまらず声を出した。
「どうしようもなくなんてないよ。涼介は綺麗だもん!!
もしかしたら、ゆうてぃーだって同じ気持ちかも!!」
僕の言葉に、涼介はびっくりしたように目を丸く見張り、
そして、目が弧を描くように優しく微笑んだ。
「知念は優しいね。ありがとう。」
優しいからではない。
僕は、本当にそう思ってたのだ。
仲が悪かった昔の二人ならいざ知らず、今なら。
距離の近づいた今なら、そうなっても不思議じゃないかもしれないと思ったのだ。
「本当だよぉ…本当にそう思ってるんだよ。」
僕の言葉に、また涼介は少しだけ驚いて、ふふっと声を出して笑った。
「そうだったら…嬉しいな…。」
消えてしまいそうな涼介に、思わず、張り気味に言葉を続けた。
「今はまだ違ったとしても、頑張ったら振り向いてもらえるかもしれないし!!」
僕は、励ますつもりで言ったのだけれど、
その言葉たちは、涼介にとって残酷な応援だったみたい。
また、悲しげに、苦しそうに顔を歪めた。
「でもね、知念…。どんなに頑張ったって、どんなに綺麗になったって。
俺は、裕翔くんの隣に並んで歩けるような綺麗な
ぎゅーっと抱きしめられた。
ぎゅーってぎゅーって、縋るように抱きしめられた。
僕みたいな小さな体にでも縋らないと涼介は自分を保てないみたいだった。
涼介にきつく抱きしめられながら、僕は自分の間違いと愚かさに気がついた。
そうか…。
ゆうてぃーは男の子で、涼介も男の子で。
そして、キミちゃんも男の人で、僕は男の子で。
涼介の背中に手を回しながら、涼介のすすり泣く声を聞きながら。
申し訳ないのだけれど、僕はキミちゃんのことを思っていた。
キミちゃんの隣は、僕ではない誰かの居場所なのかなって。
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Yoko(プロフ) - ひびた。さまがなんか、再始動している感!嬉しいです!やっぱり私ひびた。さまのお話大好きーー!この知念くんの危なっかしい可愛さがもう、珠玉過ぎます。キミちゃーん!いけいけーーー!! (2019年6月3日 0時) (レス) id: 1ec0dcf065 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - うおっっとぉ!キミちゃん!がんばってる!!「もっかいして」なんて言われちゃったら、大人としてどーしたらいいのかしらねぇ。うひひ。ゆうりちやんも必死 (2019年6月2日 23時) (レス) id: a47283bf22 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - みるみるみるきーさん» ゆーりさんの色仕掛け(*´∇`*)キミちゃんはまんまと乗るんですかねぇ〜。ふふふふふ(//∇//)☆ (2018年1月30日 22時) (レス) id: 3d951651f9 (このIDを非表示/違反報告)
ひびた。(プロフ) - ヨウコさん» 好きだといってもらえて光栄です(*≧∀≦*)そういえば私もこのcpを他で読んだことないですね…マイナーcpですが書いていきたいと思います!!幸せになるかは…( ̄▽ ̄;) (2018年1月30日 22時) (レス) id: 3d951651f9 (このIDを非表示/違反報告)
みるみるみるきー(プロフ) - あ、書き込もうとしたら…ヨウコだ!www。さて、キミちゃんは男になれるのか?どうしてもどうしても兄ちゃんなのか?!がんばれ、ゆーり!負けんなー! (2018年1月30日 20時) (レス) id: 40e0ecae06 (このIDを非表示/違反報告)
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