占ツク作者、冬眠します【オリジナル】

桃賀の独白 ページ13

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「あーあーあーあーあーあー！ 勉強なんてしたくなあい！！」

シャーペンを放り投げて、足を駄々っ子のようにバタバタと振り回した。どんなにアホな事をやっても自室だから、親が覗きに来ない限りは大丈夫だ。

「占ツクが書きたーい、Twitterでクソリプの送り合いしたーい、pi●ivで神作品を読んで涙ながらに感想を送りたあい！！」

欲望は尽きることがない。受験が終わったら勉強なんかしてやるもんか。時間の全てをスマホに捧げてやる。

「合格したら新作10本上げてやるもんね！ 待ってろよ3月！！」

宣言して、再び目の前の課題に取りかかった。

「も〜、生物なんて知らねえよ〜……」

人間以外の動物のことをどうして知らなくちゃいけないんだ。なんて、ペンネームを動物の名前にしてるやつが言うセリフじゃないけど。

「鳥類と哺乳類は恒温動物で？ 体温を一定に保てるんだね。食料の少ない冬は体温を低下させて冬眠に入る動物もいる……」

はー、羨ましい、私も冬眠したい。何食わぬ顔で春になったら戻って来て、ごく当然の流れで華のJKになりたい。

JKと言えばきつねちゃん。この間私のTwitterでアドバイスくれた時、「何様ですか？」って送ってた読者さんに毅然とした態度で返してたきつねちゃん、かっこよかったなあ……。ああいうかっこいい女子高生になりたい。

って、脱線してるよまた。集中力持たせないとなあ、きつねちゃんがこの間言ったように、そろそろ占ツクもおやすみします宣言しなくちゃ、皆さんの神作品からの萌えも減らして、勝負の冬を乗り切ろうっと。

「勝負の冬……？ 乗り切る……？」

あっ。

「とびっきり、いいこと、思いついた！ のに……」

思いついた。作品のネタじゃない。最っ高にかっこよく、占ツクから離れる方法。読者の皆さんを悲しませずに、おやすみする方法。なのに。

机の上には課題。ニガテな理科の、ニガテな生物の、プリントが10枚。まだ、3枚目の半分くらいまでしか進んでいない。

「ソッコーで終わらしたるわ！！ 待ってろスマホ！」

真横に置いてある相棒(スマホ)に宣言して、ようやくスイッチが入った右手をかりかりと動かし始めた。


そうして解き終えたプリントの上に肘をついて、書き上げたのがあのホームページ。改めて読んでみたら、冬眠ってちょっぴりかっこ悪い気もするけど、今更後には引けない。

それよりも、作品を作ってすぐ、1つの星と同時に大切な人から、愛のあるコメントが来たのが嬉しかった。






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