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episode,58 ページ10

気が付くと手足を縄で縛られ、床に寝転んでいた。
辺りを見渡すとそこは廃ビルらしく、階数もかなり高い。
隙間風がとても冷たい。


「気が付いたか」


「ここは・・・?」


「ここはお前の母親が俺の兄を殺した現場さ」


「あれは事故でしょ?それにアナタのお兄さんが勝手に着いて来たから死んだのよ」


「いいや、そんな事ない。お前の母親の判断ミスだ!」


私の近くを打つ。
当たらないように、私に恐怖心を抱くために。


「確かお前の台本だと、刑事が駆けつけてお前を助けるって設定だったな」


「まさかフィクションがノーフィクションになるとは思わなかったわ」


「最高だろ?自分の作った台本通りに事が進んでさ?」


「いいえ、気分最悪よ。お前みたいなバカに使われるなんて屈辱的だわ」


「なめた口聞けんのも今のうちだぞ、人殺しの娘さん?」


そう言うと間中は私を、殴ったり蹴ったりを繰り返す。
まだ銃で撃たれるよりはましかな?


「兄さんを失ったせいで、家族は崩壊したよ。父は後を追うように死んで、
 母は床に伏せるようになり、俺はこの日の為にお前について必死に調べた」


「お兄さんを失っただけで壊れるような家族だったのね。可哀そうねぇ」


「っ!?てんめぇ!!」


先程より強く殴られ、蹴られた。


「残念だけど、お前の台本通り刑事はこねぇよ。刑事は犯人が誰かで必死だからよ。
 本当、日本の警察って役に立たねぇザコばっかだな!!」


「・・・・もういっぺん言ってみろ」


「は?」


「もういっぺん、自分の命を犠牲にして必死に国を守っている警察を侮辱してみろって言ったんだよ」


「!?・・・なに、必死に言ってんだが」


「お前よくこの場でそんな事言えたな!この場所がどういう所か知ってそんな事言ってんのか?
 この場所は国の為に必死に戦った警察の戦場だった所だぞ。
 今の発言は、国を必死に守ったお前の兄も侮辱したって気づかないの?」


そう私が言うと間中は黙ったままだった。


「やっぱりアナタバカね」


鼻で笑ってやると、太ももに銃弾が食い込んだ。
傷口から大量の血が流れ、床が真っ赤になる。


「うるせぇんだよ!!これで少しは黙ってろ」


「・・・・・一つ言っとくわ」


「あ?んだよ?」


「警察はアナタに目を向けてないかもしれないけど、探偵さんはアナタに目を向けてるわよ」


「なに!?」


そう言った瞬間、サッカーボールが彼の頭に直撃した。

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rekuiemu(プロフ) - 悠さん» コメントありがとうございます!これからも応援して下さると嬉しいです!! (2018年6月10日 10時) (レス) id: 1957aa9c34 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごい面白いですね!これからも頑張ってください! (2018年6月3日 0時) (レス) id: 3f15d9f557 (このIDを非表示/違反報告)
rekuiemu(プロフ) - 明里香さん» コメントありがとうございます!見つけて下さりありがとうございます!申し訳ありません。不甲斐ない作者ですがこれからも応援して下さると嬉しいです。 (2018年5月10日 22時) (レス) id: 1957aa9c34 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「もっ遠く」ではなく、「もっと遠く」です。 (2018年5月10日 8時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rekuiemu | 作成日時:2018年5月4日 22時

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