検索窓
今日:24 hit、昨日:0 hit、合計:71,338 hit

episode,87 降谷side ページ40

「いろはうたって知っている?」


「急にどうした?」


自宅にAを招き、夕食を食べた後。
風呂上りのAが俺に言って来た。


「作者不明のいろはうた。仏教的な意味をもっているらしいけど、私は最初の一文がいいと思う」


「色もよく匂いもいい花はいつか枯れてしまうって意味のやつか?」


「そう。幸せも花のように散ってしまうという意味の文。
 察しがいいアナタなら私が何を言いたいか分かるんじゃない?」


「・・・・そんなんじゃ分からない」


嘘。
大体は分かった。
彼女がこれから何をしようとするか。


「そう。だったら、白が黒に呑まれてもそれは白といえる?」


「その白が消えないならいいんじゃないか?」


満足できる回答をしたか正直分からない。
けど、その答えを聞くと彼女は笑顔を向けた。
彼女が座っているソファの隣に座った。


「何かあったのか?組織の方で」


「最近自分が誰なのか分からないんだよね。コニャックの時の私はとっても気分がいいの。
 でもコニャックを演じ切ると後悔が押し寄せて、涙が溢れ出るの。おかしいよね。
 どっちも同じ自分なのにさ」


「俺はどんなAでも好きだけどな。悪役のコニャックも、小説家の西宮Aも、
 公安の新藤Aも。全部Aなんだから、俺は好きだよ」


そう俺が言うと彼女は顔を真っ赤にしてそっぽを向く。


「何でそう恥ずかしい事サラッていうのかなぁ」


「好きだよA」


「っ!」


Aを抱き寄せて頬にキスをする。


「私も好き」


Aが仕返しに俺の頬にキスをする。


「誘ってるって捉えていいか?」


「さぁ?どう解釈するかはアナタ次第」

NEXTSTAGE→←episode,86



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (79 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
369人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

rekuiemu(プロフ) - 悠さん» コメントありがとうございます!これからも応援して下さると嬉しいです!! (2018年6月10日 10時) (レス) id: 1957aa9c34 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごい面白いですね!これからも頑張ってください! (2018年6月3日 0時) (レス) id: 3f15d9f557 (このIDを非表示/違反報告)
rekuiemu(プロフ) - 明里香さん» コメントありがとうございます!見つけて下さりありがとうございます!申し訳ありません。不甲斐ない作者ですがこれからも応援して下さると嬉しいです。 (2018年5月10日 22時) (レス) id: 1957aa9c34 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「もっ遠く」ではなく、「もっと遠く」です。 (2018年5月10日 8時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:rekuiemu | 作成日時:2018年5月4日 22時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。