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episode,74 ページ27

あれから数日後。
恋人になったのはいいけど、何をすればいいのか分からない。
手を繋ぐとか?キスするとか?デートとか?


「・・・・Aっ!」


「ハイッ!?」


ポアロでお茶を飲んでいるのをすっかり忘れてました。


「そんなに驚かないで下さいよ」


「ゴメン。ちょっとボーっとしてて」


さすがに先程考えていた事を話す事は出来ない。


「小説業の方はどうですか?」


「それなら今やってる最中。担当さんに「第一作の続編は?」って言われちゃったからね」


「確か最終的に主人公は理由もなく消えてしまったんですよね?」


「そう。主人公に恋した男性が彼女を探す話。趣味で書いた物語がこんなにヒットするなんてね」


頼んだコーヒーを飲む。
そしてまだ何も打ち込んでいないパソコンの画面を見る。


「正直、続編は考えてなかったな。男性が彼女を探しておしまい。その後は読者さんの想像に任せますってね」


「僕としては嬉しいですけどね」


ニコッと笑いかけてきた。
つい最近まではムカつくって思っていたのに今は何故かその気持ちは消えている。
むしろ、私に向けての笑顔で凄く嬉しいと思ってしまっている。


「恋って怖いね」


「そうですね。金の次に恋が関わると面倒ですからね」


「人の気持ちは凶器にもなる恐ろしくて、魅力的なものなのかもね」


こういう考えをしていると続編が昼ドラのドロドロ関係になってしまうのでやめとこう。


「ネタが降ってこない・・・いっそ京都でも行ってインスピレーションを上げようか」


「京都ですか?」


「だって抹茶といえば京都でしょ?」


「あぁ・・・アナタの好物は抹茶でしたね」


「抹茶はいいよ。苦みも甘みも持っている日本の味。和を感じるのなら、抹茶を食べるべき」


「抹茶ですか。帰りに抹茶カフェでも寄りますか?」


「行っていいなら行く。今のうちに調べてこう」


「ま、原稿が終わってないなら連れて行きませんけど」


「・・ガンバリマス」


「サービスに紅茶用意するので頑張って下さいね」


そう言った後小声で「僕の恋人さん」と言った。
まだ慣れてないその単語を聞くと、顔が赤くなってしまう。


「恋愛小説書いてるのにその単語は慣れないんですか?初心で可愛らしい」


「初心で悪かったわね。魅力的なセクシーなお姉さんじゃなくて」


「そんな方よりAの方が魅力的です」


この男は恥ずかしい言葉を簡単に口にする。
更に顔を赤くして小説を書き始めた。

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rekuiemu(プロフ) - 悠さん» コメントありがとうございます!これからも応援して下さると嬉しいです!! (2018年6月10日 10時) (レス) id: 1957aa9c34 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごい面白いですね!これからも頑張ってください! (2018年6月3日 0時) (レス) id: 3f15d9f557 (このIDを非表示/違反報告)
rekuiemu(プロフ) - 明里香さん» コメントありがとうございます!見つけて下さりありがとうございます!申し訳ありません。不甲斐ない作者ですがこれからも応援して下さると嬉しいです。 (2018年5月10日 22時) (レス) id: 1957aa9c34 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「もっ遠く」ではなく、「もっと遠く」です。 (2018年5月10日 8時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rekuiemu | 作成日時:2018年5月4日 22時

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