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episode.71 ページ24

担当に呼ばれて、やっと自由になった。
時間はもう夕方。
忙しい彼にメールを送り、彼の自宅に向かう。
今日は歩き回って疲れたし、彼の自宅に泊めてもらおう。





彼の自宅に行くと、本人は既にいた。


「いらっしゃい」


「上がり早いのね。まだカフェかと思った」


「今日は早く上がれたんですよ。立ち話も何ですし、中にどうぞ」


私は中に入り、ズカズカとリビングに入る。
リビングは美味しい匂いで満たされていた。


「良かったら食べます?一応アナタの分も用意しましたが」


「食べる」


荷物をソファに置いて椅子に座る。
彼も向かいの椅子に座り、自分で用意した料理を口にした。
私も食べてみる。


「アナタの作る料理って美味しいよね。将来、料理人でもなったら?」


「それは嬉しい言葉だが、俺は公安を続けるつもりだ」


「公安ね・・・私はいつ辞めよう」


「辞めるのか?」


「良い人が見つかったら辞めるかも?家族に秘密はとても辛いから」


母はどんな思いで家族に、私を嘘を吐いたのだろうか。
そう思うととても胸が苦しい。


「俺となら別に秘密にしなくてもいいんじゃないか?」


「何の冗談?」


彼の目は真っ直ぐと私を見つめている。


「私の事嫌いなのに・・・変なの」


「本当に嫌いだと思うか?」


「・・・まさか、違うの?」


「どう思う?」


「どうって言われても・・・・」


これもどこかで聞いたセリフ。
最近デジャブを感じるのは気のせいだろうか?


「困ってる顔もいいな。眉毛がいつもより垂れ下がって可愛いと思う」


「か、可愛い?何言ってるの?」


いつも私の事悪く言う彼からそんな言葉が出ると思わなかった。
前にこの場所に来た時、酔っていた言葉だと思った。
けど、彼は今酒を飲んでいない。
本当に本心なの?
それに、このセリフ間違いない。


「からかってるならいい加減にしてくれるかな?」


私はあの時と同じセリフを言う。


「そう捉えてるなら別にいいけど」


そう言うと彼はまた料理を食べ始めた。
もしかして・・・でも、彼の事嫌いで、私も彼の事嫌いで。
訳が分からなくなってきた。

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rekuiemu(プロフ) - 悠さん» コメントありがとうございます!これからも応援して下さると嬉しいです!! (2018年6月10日 10時) (レス) id: 1957aa9c34 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - すごい面白いですね!これからも頑張ってください! (2018年6月3日 0時) (レス) id: 3f15d9f557 (このIDを非表示/違反報告)
rekuiemu(プロフ) - 明里香さん» コメントありがとうございます!見つけて下さりありがとうございます!申し訳ありません。不甲斐ない作者ですがこれからも応援して下さると嬉しいです。 (2018年5月10日 22時) (レス) id: 1957aa9c34 (このIDを非表示/違反報告)
明里香(プロフ) - 誤字がありました。「もっ遠く」ではなく、「もっと遠く」です。 (2018年5月10日 8時) (携帯から) (レス) id: 85d4df75a2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:rekuiemu | 作成日時:2018年5月4日 22時

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