全部 みんなのためだったんだ

決断 ページ31

今日も1人


ホームルームが始まるまで、まだまだ時間がある


今日に限って本を忘れてきてしまった


図書室は、まだ空いてないし…


…よし、勉強しよう


今苦手な単元だったんだよね。


予習しておこう


ノートと教科書とペンケースを取り出して机に向かう


30分ほどすると、1番目のクラスメイトが来た


登校時間までまだ1時間以上ある


隣の席の、中村くん

『おはよう…は、はやいね…』


無視されるかな？とは思うけど、一応挨拶


中村「…はよ。」


あ、返してくれた


けどここで会話は途切れる


中村「…真面目だな」


『え？そ、そうかな…』


中村「バレー部だよね。朝練は？」


『え…』


これは…サボり、なのかな？


『さぼり…かな？』


中村「…1年？マネの」


『…いや、緋奈ちゃんは関係ない…』


中村「…あっそ。」


そう興味なさげに吐き捨てたあと、スマホを取り出してイヤホンをつける


なんで緋奈ちゃんの名前が出てきたの？


何を知っているの？


もしかしたら、国見くんみたいに…


なんて


思っている自分が居て


そうだったら何？


国見くんだって…


私から、離れてもらわないといけない


拳を、キュッと握る


国見くんに、なにかがかったら…私…


考えたくない


そうならない為に


今日にでも、国見くんを突き放そう

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