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『あの……私ここに住むんですか……？』
そして、冒頭に戻る。
マンションの外観に驚いていたAだったが、更に驚かされたのは部屋の中だった。
目を見開いて固まるAに、何に驚いているのか分からない様子の真島は、「そうやで？」と平然とした態度で答える。
Aの新居として言い渡された部屋には、既に家具が揃っていた。
家具備え付けなのかとも考えるが、リビング中央に鎮座するソファやローテーブル、カーテンに至るまで全て黒で統一されており、若い女が住む部屋として似つかわしくない。
掃除の行き届いた部屋は正に新居同然だが、部屋に染みついた煙草の匂いに、勘の良いAは直ぐに気がついていた。
『もしかしてですけど、この部屋って……』
恐る恐る尋ねるAに、真島はニコニコとした笑みを向ける。
「俺の家やで」
『やっ、ぱりそうなんですね……』
薄々察してはいたが、突拍子のない仮説がまさか事実なんて……
真島の奇想天外な思考に、Aは頭を抱えた。
『つまり、私は真島さんと同じ家に住むって事ですか？』
「まぁ、そういう事になるな」
『あの、真島さん……』
「ん、なんや？」
『家を与えてくれたことには感謝してます。でも……』
『なんで真島さんの家なんですか！！！』
必死に抗議をするAだが、真島はその様子を面白そうに笑うばかり。
Aの怒りは真島に届いてはいないようだ。
「ヒヒッそんな怒らんでもええやろ？それに、最上階の家具付物件やで？文句の付けようがないやん」
『真島さんの家だって事に文句を言ってるんです……！』
「そない細かいとこ気にすんなや〜」
何を言っても軽くあしらわれ、遂にAは言い返すことを諦めた。
よく考えなくても、真島は普通の人がしないような事を平気でするような人間だ。
そんな男に"一般常識"を求める方が難しい。
「そんじゃ、俺は事務所に戻るわ」
『えっ……？もうちょっと部屋の説明とかないんですか？！』
「そんなん住んでたら嫌でも覚えるわ。あ、一個言い忘れてた。お前の部屋はリビングから出て左や。そんだけ覚えといたら問題ないやろ。ほな、行ってくるわ」
『ちょ、ちょっと……！』
Aの制止も聞かずに、真島はさっさと部屋から出ていく。
一人取り残されたAは、暫くその場に立ちすくんだ。
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雲雀(プロフ) - エコノハァーさん» コメントありがとうございます！手違いでオリジナルタグを付けてしまっていたようです……教えて頂きありがとうございました！ (2021年2月12日 23時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
エコノハァー(プロフ) - 新作おめでとうございます！応援してます！あと、オリジナルタグ付いております(気づいていましたらすみません！) (2021年2月12日 23時) (レス) id: 0f751f239f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - レイナさん» わ〜い！ありがとうございます〜！よろしくお願いします！ (2021年2月12日 23時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 新作おめでとうございます!これからどうなるか楽しみですｯ! (2021年2月12日 23時) (レス) id: 62f57f1f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雲雀 | 作成日時：2021年2月12日 21時
