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Aが目を覚ますと、またもや見覚えのない場所。
しかし、廃ビルとはうってかわり、感じるのは清潔な空気。そして、目に入ったのは無機質な天井だった。
起き上がろうとしてみるが、腹に感じるジクジクとした痛みのせいで、ベッドに体を預ける事しか出来ない。
仕方なしに首だけを動かし辺りを見回した。
『真島、さん……？』
真っ先に目に入ってきたのは、パイプ椅子に座り、腕を組みながら眠っている真島の姿。
Aの声で目を覚ましたのか、ゆっくりと目を開けた後、驚いたような顔でAを見つめた。
「……！目ぇ覚めたんか……！」
ぼぅっとこちらを見つめるAの顔を確認した瞬間、真島の顔には安堵と喜びが滲み出た。
『ここ、は……？病院ですか……？』
「あぁ、そうや。一週間か？そんぐらいここでお前は眠っとったわ」
『そんなに、長く……』
Aにとって、撃たれた記憶はとても鮮明で、つい数分前の出来事なのでは。と、そう錯覚させる。
しかし、床擦れを起こし痛む体は、長い間眠り続けていた事を証明していた。
『そういえば……井上は、どうなりましたか？』
「……さぁ、どうなったんやろうな」
『……え？』
「俺もな、あん時の記憶があんましないねん。気づいた時には、血塗れの井上がおってのぉ。多分今頃、ベッドで寝とるんちゃうか？」
まるで他人事のように語っているが、井上を病院送りにしたのは真島の仕業だろう。
Aはドスで滅多刺しにされる様子を想像して、井上に同情の念を抱いた。
突然、何か思い立ったようにAは起き上がろうと体に力を入れる。
しかし、上手く起き上がれる訳がなく。
背中に腕を回してくれた真島の力を借りながら、やっとの事でベッドに座る。
体を真島に向けたAは、勢いよく頭を下げた。
『助けに来てくれて、ありがとうございました』
そう礼を言うAの顔は、苦虫を噛み潰したように歪んでいた。
"真島を助けたい"
その一心で組に入った結果、寧ろ助けられたのはAの方だった。
Aをじわじわと襲ったのは、情けなさや不甲斐なさ。
"迷惑をかけてごめんなさい"という言葉を押し込めながら、やっとの思いで礼を口にしていた。
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雲雀(プロフ) - エコノハァーさん» コメントありがとうございます！手違いでオリジナルタグを付けてしまっていたようです……教えて頂きありがとうございました！ (2021年2月12日 23時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
エコノハァー(プロフ) - 新作おめでとうございます！応援してます！あと、オリジナルタグ付いております(気づいていましたらすみません！) (2021年2月12日 23時) (レス) id: 0f751f239f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - レイナさん» わ〜い！ありがとうございます〜！よろしくお願いします！ (2021年2月12日 23時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 新作おめでとうございます!これからどうなるか楽しみですｯ! (2021年2月12日 23時) (レス) id: 62f57f1f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雲雀 | 作成日時：2021年2月12日 21時
