一章 正体不明の女 ページ1
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ブラインドの隙間から光が差し込む。
組事務所で暇を持て余していた真島は、その暖かな陽気に誘われ、うとうとと微睡んでいた。
目を瞑り、あと一歩で意識を手放すといった時。ドア越しからバタバタと忙しない足音が聞こえ、夢の世界から現実へと引き戻される。
コンコン
組長室の扉をノックする音が聞こえ、真島は気だるげに返事を返した。
「失礼します」の一言と共に部屋を訪れたのは、真島の部下である西田。何やら戸惑いの色を浮かべる西田に、真島は怪訝な顔を浮かべる。
「なんや、なんかあったんか」
「いや……えっと、それが……」
「何吃ってんねん！はよ要件言わんかい！！」
「ひぃっ！すみません！！実は……親父に会いたいと言う方が事務所まで来てまして……」
「ほぉ……？」
西田からの来客の知らせに、真島は首を傾げた。
今日の予定を思い返してみても、誰かと会う約束はなかったはず。それに突然の来客にしろ、東城会の者であれば、西田がここまで狼狽える必要もないはずだ。
何か不穏な空気を感じ取った真島は、声を潜めて西田に尋ねた。
「そんで、ウチに来た奴っちゅうんは何者や」
相手によっては、抗争にまで発展するかもしれない。真島は最悪の展開まで考え、より一層気を引き締めた。
「それが、その……若い女性の方でして……」
「……はぁ？女ぁ？そいつが俺に何の用や」
「それが……何を尋ねても「とにかく組長に会わせろ」としか言わなくて……」
肩透かしを食らった真島は素っ頓狂な声を上げる。
何処かの組の者ではない上に女とくれば、益々訪問者の要件がわからない。そもそも、女で親しい人物など、真島には思い当たらなかった。
「親父、どうします？やっぱり追い返しますか……？」
西田の質問に、真島は暫く悩む素振りを見せた。
普段であれば、得体の知れない訪問者など相手にはしない。
しかし、今は特にする事もなく暇ときている。
であれば、面白い出来事を追い求める真島にとって、答えは一つ───────
「いや、その女ここまで連れてこい。俺が相手してやるわ」
「……えっ？！連れてくるんすか？！」
「なんや文句でもあるんか？ええからお前はさっさと連れてこんかい！！！」
「は、はいぃ！！」
命じられた西田は、ものすごい勢いで組長室から飛び出して言った。
その背中を見送りながら、「今日は面白い一日になりそうや」と真島は笑みを浮かべた。
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雲雀(プロフ) - エコノハァーさん» コメントありがとうございます！手違いでオリジナルタグを付けてしまっていたようです……教えて頂きありがとうございました！ (2021年2月12日 23時) (
レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
エコノハァー(プロフ) - 新作おめでとうございます！応援してます！あと、オリジナルタグ付いております(気づいていましたらすみません！) (2021年2月12日 23時) (レス) id: 0f751f239f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - レイナさん» わ〜い！ありがとうございます〜！よろしくお願いします！ (2021年2月12日 23時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)
レイナ(プロフ) - 新作おめでとうございます!これからどうなるか楽しみですｯ! (2021年2月12日 23時) (レス) id: 62f57f1f40 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：雲雀 | 作成日時：2021年2月12日 21時
