検索窓
今日:23 hit、昨日:7 hit、合計:45,385 hit

. ページ27

.





シャワーを手短に済ませた真島は、ろくに乾かしていない髪とスウェット姿で寝室のドアを開けた。


ベッドに寝転ぶAは、こちらに背を向け携帯を弄っているようで、真島が入ったことには気づいていない。


それをいい事に、真島は気配を消してAに近づく。


一歩また一歩と、音がならないように慎重に足を踏み出していった。





ベッドの手前まで来たところで、真島はAの手元から携帯を取り上げた。


何が起こったのかと固まる一瞬の隙をついて、Aを仰向けに寝かせその上に馬乗りになる。





『……何してるんですか』





「何って、この体勢でやることと言ったら一つしかないやろ」





『明日も仕事なんですよ?今日は早く寝ましょうよ』





Aは乗り気では無い表情を見せるが、それでも真島に引く気はなかった。





「俺は今腹立ってんねん。せやから、このまま寝る訳にはいかへん」





『……?何に腹立ててるんです……?』





「お前が西田に好かれてることに対してや。あいつだけやない。他の組員もお前のこと狙っとる。」





真島の怒りの矛先は、明確に言えば西田を含めた組員達だ。


しかし、それにしてもAには隙が多すぎる。


「お前は俺のものやぞ」とわからせる為にも、真島はAと体を重ねたかった。





そんな真島の心境を知ってか知らずか、Aは無邪気ともいえる笑みを浮かべる。





『つまり、真島さんは嫉妬して怒ってるって事ですか?』





愛されていることを自覚したAの台詞は、真島にとってかなり憎たらしいものだった。


しかし、Aの言ったことは紛れもない事実。


人を煽るような笑みや言葉も含めて真島はAを好きなのだから、またもや反論することはできない。


"惚れた弱み"とは、まさにこの事だろう。





「……うっさいわ」





これ以上Aが優位に立つことが癪だった真島は、口を塞ぐように唇を押し当てた。


口では勝てなくても、物理的な力であればAに負けることは無い。


多少強引にでも、真島のペースへと持ち込んでいく。


舌を絡ませ長時間キスをすれば、簡単にAの顔は惚けた。





非力な小娘に"狂犬"が勝てるのは、ベッドの上だけであった_____

.→←Another Story



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (42 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
85人がお気に入り
設定タグ:龍が如く , 真島吾朗   
作品ジャンル:恋愛
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

なぬ - 面白い (2022年3月29日 16時) (レス) id: 9f70a28778 (このIDを非表示/違反報告)
kokurou6(プロフ) - Twitterフォローさせていただきました。よろしければ承認お願いします。 (2021年2月7日 16時) (レス) id: f57eb3d90a (このIDを非表示/違反報告)
★レイナ☆(プロフ) - ツイッターフォロー申請させて頂きました! (2021年2月4日 11時) (レス) id: 62f57f1f40 (このIDを非表示/違反報告)
エコノハァー(プロフ) - 雲雀さん» はい、やべぇ所の作者です…。ハチャメチャな作品を読んでいただいて光栄です!ありがとうございますっ!(土下座) (2021年1月23日 13時) (レス) id: 0f751f239f (このIDを非表示/違反報告)
雲雀(プロフ) - エコノハァーさん» コメントありがとうございます〜!嬉しいです〜!あの、もしかして、「就職した先はやべぇ所でした」の作者様でいらっしゃいますか……?私もエコノハァーさんの作品楽しく読ませていただいております!! (2021年1月22日 23時) (レス) id: 22260f8f2e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:雲雀 | 作成日時:2020年12月27日 14時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。