もうひとり ページ26
早朝の空港は、空気がひんやりと冷たく頬を掠めた
飛行機に乗ってからもほとんど記憶がない
気が付いたら韓国に着いていた
本当にそれほどまでに動揺してしまっていた
ジェウォン「・・・Aちゃん。」
病院に着いた私を出迎えてくれたのは、電話をくれたジェウォンさん
瞼を真っ赤に腫らして、長椅子に座るキュヒョンさん
それに、肩を抱き合ったチャンミンのご両親だった
こんな形でご挨拶をすることになるなんて
いたたまれない気持ちで、遠くの長椅子に腰掛けた
集中治療室のガラス越しに見えたのは、
まだ意識が回復しないチャンミン
たくさんの器具に繋がれて
死んだように眠っていた
A「・・・・。」
病院の外にはたくさんの報道陣が溢れていた
無理もない
チャンミンが事故にあったというニュースは瞬く間に駆け巡って
叫び声と泣き崩れるファンを、病院の前で見てしまった
無かった実感が胸を締め付ける
本当なんだ
本当にチャンミンが
こんなことになってしまうなんて
もうひとつ気になったのが
この待合室にチャンミンの関係者以外がいたこと
重篤な患者が
チャンミンだけじゃない
もうひとり運ばれているということだ
「ソウンっ！！」
泣き崩れて名前を呼ぶ中年の綺麗な女性
母親らしきその人が、肩を抱き抱えられて座らされている
ジェウォン「・・・はい。」
差し出された缶コーヒー
それを持って、重い腰を上げた
ジェウォン「あのさ、Aちゃん、」
A「ソウンさんも・・・一緒だったんですね。」
運ばれた女性と聞いてすぐに思い浮かんでしまった
チャンミンが庇って、事故にあったと
通りを走っていたダンプカーにふたりで跳ね飛ばされたと
A「そうだったんですね・・・」
前日までソウルは雨が降っていたらしい
ジェウォンさんと出た病院の中庭
濡れていた道路は乾いて
空に虹が差していた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1747人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
tama(プロフ) - なおちゃんお久しぶり〜！元気にしてますか？ふら〜っとおじゃましては、なおちゃんのお話読み返してるよ(^^)いつまでも待ってるからね〜♪ (2019年12月21日 2時) (
レス) id: 16475f81e3 (このIDを非表示/違反報告)
千衣(プロフ) - なおさん、ひょっこりをいつまでも過去作品を読み返しなからお待ちしてますよ〜♪ (2019年12月20日 20時) (レス) id: 831be97d67 (このIDを非表示/違反報告)
愛嬌(プロフ) - ひょっこりお待ちしてます。お話どれも大好きです(^｡^) (2019年12月20日 17時) (レス) id: dff3957b28 (このIDを非表示/違反報告)
take1011(プロフ) - なおさん、今晩は！東方神起札幌ドーム参加を終えた今、過去ライブDVDを観尽くしています。そして、なおさんのお話もリピート〜〜！待ってます！！ (2019年12月20日 0時) (レス) id: bedbfc6855 (このIDを非表示/違反報告)
あみ(プロフ) - なおさん元気かな？？いつでも待ってます!! (2019年12月19日 23時) (レス) id: f65fdff13b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2016年2月16日 20時
