蓋 ページ31
業務部の仕事は定時で終わる
花形の営業部に居た頃は、深夜まで残業していたこともあったのに
身を置かれた状況が違い過ぎて、ため息が出てしまう
ふらりと立ち寄った夕方の本屋
難しいビジネス書籍の棚をすり抜けて、立ち止まったのは趣味のコーナー
A「なにか・・・始めてみようかな・・・」
元々仕事が忙しくて、趣味なんてものをやる余裕もなかった
でもこんな状況になって
心にぽっかりと開いた穴を埋めるなにかが欲しい
私は人差し指で
そっと一冊の本を引っ張り出した
ユノ「Aっ！」
久しぶりに社内で会ったユノ
食堂で呼び止められて、同じ席につく
ユノ「あれから、チャンミンと会ったの？」
A「うん・・・この前家に来た。」
へぇっと相槌を打ちながら、唐揚げを頬張る
ユノ「チャンミン、なにか言ってた？」
A「・・・お父様の策略だって。
でも、結婚は自分で決めたって。」
ユノ「・・・・。」
A「ねぇ、ユノ・・・」
コトンと箸を置いて、ユノの顔を見る
A「私・・・間違ってるよね？」
ユノ「間違い？」
ずっと胸がモヤモヤしてた
色々な事情があって、チャンミンが私から離れたことも分かった
「待ってて」って
お正月も一緒に実家に帰ろうって言ってくれたのに
A「私が、チャンミンを信じられてないんだ・・・」
昔、一度別れて後悔したから
もう二度と同じ過ちは繰り返したくなくて
縋り付こうとしたけれど、心は正直だった
A「お嬢様のところに帰りなよ、って本心じゃないのに。強がって・・・
チャンミンの負担になりたくないし、私だって二番目の女になって惨めになりたくないけど
それでもいいと思ってたのに、」
ユノ「・・・チャンミンは、納得しなかったでしょ。」
コクンと頷く
A「チャンミンより、私の問題。
私が、チャンミンのこと待てないってどこかで思ってた。」
待ってるって、あの日約束したのに
A「私・・・ひどい女かな。
チャンミンの気持ちが信じられずに、取り繕ってばかり
嫉妬も不安も言い出せなくて、」
今もチャンミンのことを想うだけでこんなに苦しい
好きな気持ちに変わりはないはずなのに
A「でも自分の気持ちに蓋をするのは、間違ってると思うの。」
我慢が限界に達してる
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なお(プロフ) - Ｋ-ｐｏｐオールペンさん» 読んでくださってありがとうございます。続編は今のところ予定がありません。結婚して子どもが出来たこの章で完結です。幸せなその後を思い描いて頂けたら嬉しいです。 (2016年5月3日 20時) (
レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
Ｋ-ｐｏｐオールペン - 続編は無い？ある？私個人としては続編希望です。読みやすい作品だったので (2016年4月22日 21時) (携帯から) (レス) id: cd6a5aedf4 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ryouchamiさん» ありがとう〜！ご要望頂けると嬉しいです。今はちょっと休業中ですので、また書ける時期が来ましたらぜひ遊びに来てくださいね！いつも本当にありがとうございます！ (2016年1月29日 22時) (レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
ryouchami(プロフ) - なおさん、お願いお願い！ぜひ短編でもなんでもなおさんが描くチャンミンに会わせて〜！ 春から頑張ってくださいね！ (2016年1月27日 23時) (レス) id: ae68b7da94 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - ぱぴさん» 癒しになっていたなんて光栄です！同じくらいの年代なのですね！学生は11年振りです。お互い大変だと思いますが、頑張って行きましょうね。また気分転換に戻って来ましたらぜひ遊びに来てくださいね。 (2016年1月25日 22時) (レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2015年12月14日 0時
