あなたが居ないと ページ27
チャンミンが電話を切り、
私はふらふらと植え込みから立ち上がった
歩いて帰ったのか
タクシーを使ったのか
それすら記憶していない
ただ、
チャンミンの言葉に最後、絶叫したように泣き叫んだことは覚えてる
泣けて泣けて仕方ないのかと思っていたけど
涙なんかもう出ない
ただ足がもつれるように玄関に入り、
うずくまって座り込んでいた
ピンポーン
小さく聞こえたベルの音
ゆっくり顔を上げる
「Aちゃん、居る？」
扉の向こうから微かに聞こえた声は、ユノだった
ユノ「開けて？Aちゃん・・・」
身体が重い
立ち上がりたくても、まるで重力で押さえつけられているかのよう
電気も付けていない真っ暗の部屋
ユノは扉を開けた瞬間
私よりつらそうな顔をしていた
ユノ「お湯沸かしてもいい？お茶を淹れてあげようか？」
私の家なのに、甲斐甲斐しくキッチンに立つ
その様子をただ、ボーっと眺めているだけの私
ユノ「はい、どうぞ。」
ユノもソファに座り、ただ同じようにお茶のカップを眺めていた
ユノ「・・・泣いてないね。」
視線がうつろなまま、ユノを見る
ユノ「チャンミンが、何か言ったんだろ？」
ユノはチャンミンに会ってきたのかな
と言うことは・・・アイリさんのいる病院に行ったのかな
ユノ「命に別条はなかったらしいけど・・・
今ちょっと大変な状態で、
チャンミンがアイリを心配してるのは
決してAちゃんのことを想ってないわけじゃ、」
A「私も死のうとしたら、
チャンミン来てくれるかな。」
私の言葉に目を丸くするユノ
A「無理・・・だよね。
チャンミンはアイリさんのことが大事だし、」
パンっと
乾いた音がして
ユノが軽く頬を叩いた痛みがした
ユノ「そんなこと、絶対しちゃダメだ。」
A「・・・もしもの話だよ？
だってチャンミンは・・・
チャンミンは・・・・
どうしたら私のところに来てくれるの？」
ユノを見つめる瞳に
序々に涙が溜まって溢れていく
私を見るユノの顔も
同じように苦しそうに見えた
それを我慢するかのようにぎゅっと目を瞑り、
ユノがそっと私を抱き締める
ユノ「Aちゃん、俺が・・」
A「チャンミンが居ないと私・・・
死んじゃいそうだよ・・泣」
ユノの腕の中で震えながら嗚咽する
肩に顔を埋めるように、
ユノはぎゅっと強く抱き締めてくれた
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あみ(プロフ) - 何度読み返しても泣けるぅぅーー (2017年12月23日 8時) (
レス) id: ee0c3f7c1a (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティ(プロフ) - 好きなシーンは、中盤の「浅はか」チャンミンサイドです。二人が出会ってから付き合う迄の彼女の様子に感情移入し、同じ様にドキドキしました。そして、チャンミンが、彼女がかけがえのない存在だったと気付く辺りに引き込まれました。 (2017年6月13日 19時) (レス) id: 1eac5c6b24 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - コメント頂いた皆様、ありがとうございましたー！とりあえず、短編のような形で新作ご用意しました。Ｒoomの方に遊びに来てもらえると嬉しいです♪ (2017年1月15日 0時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
makimaki(プロフ) - 読み直してきましたぁ(^^♪遅ればせながら明けましておめでとうございます！いゃ〜ニャンミンいいですね。続編楽しみです。エピソード方式で読切が希望です(≧▽≦)テヘッ (2017年1月11日 7時) (レス) id: ca46b8282c (このIDを非表示/違反報告)
shine(プロフ) - なおさん、ご挨拶が遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。私は、なおさんが生活リズムを崩さず、負担にならない方がいいなぁと思います。ツンを極めた「ニャンミン」楽しみにしてま〜す。 (2017年1月10日 19時) (レス) id: 9ab110f08c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2016年11月21日 13時
