女の人 ページ11
上昇していくエレベーターは静かなモーター音だけ
寝ているかと思って連絡はせずに来てしまった
急に来て、びっくりするかな・・・チャンミン
インターホンを押して出て来なければ、そっと帰ろう
もし一目見れたら、何か消化のいいものでも作ってあげよう
日頃は仕事のスケジュールがぎっしりで、気を張っているから
あまり不調は言わないチャンミン
ゆっくり休んで欲しい
でもやっぱり
少しだけでも、顔が見れたら嬉しいな
チン
小さな音が鳴り、パッと顔を上げた
４３階
チャンミンの部屋がある最上階だ
ゆっくり降りて、インターホンの前で立ち止まる
暗証番号で勝手にエントランスを入ってきてしまったけど
こんなことするのは初めてで
ドキドキ胸が鳴る
呆れた顔して迎え入れてくれるかな・・・
それとも・・・
やっぱり迷惑かな・・・
やっぱり携帯で連絡を・・・
ガチャ
急に目の前の扉が開いて、腰を抜かしそうな程驚いた
「・・・どなた？」
華のような香りが鼻を掠める
スラッと高い背
栗色のカールしたロングヘア
真っ赤なルージュですごく大人っぽいけど、
目がくりっとした可愛い顔
A「わ、私・・・、」
部屋、間違えちゃったかな
焦って後ずさる私に、不思議そうな顔
「エントランスから解除の音が鳴ったので、」
扉を開けたまま、
私と向き合う女の人
「チャンミン、今寝てるんです。」
・・・た、体調が悪いから
A「妹さん・・・？」
家族だ
絶対にそうだ
グルグルと頭の中は都合よく回っている
バカな私はこの後に及んで無意味に自分に言い聞かせる
「彼女、ですね・・・？」
少し微笑むと、どうぞと扉を大きく開けてくれる
何がなんだか分からない
この人が誰なのかも分からない
手慣れた手つきで扉をロックすると、スリッパを出して玄関から上がって行ってしまった
私が・・・招かれてる状態？
この人本当に家族なんじゃないのか
怪訝な顔で着いて行くと
いつものリビングは美味しそうないい匂いがフッとした
「チャンミン、今日体調が悪くて、」
知ってるけど
どうしてあなたから聞くことになるのか
「今お薬飲んで寝てるんです。
ずっと眠れてなかったから、
しばらくは起きないかも知れません・・・」
A「そ、そうですか・・・」
テーブルの上には食べ終えたお粥の器が一人分
目に入った途端、ゾクッとする程理解する自分が居た
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1171人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あみ(プロフ) - 何度読み返しても泣けるぅぅーー (2017年12月23日 8時) (
レス) id: ee0c3f7c1a (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティ(プロフ) - 好きなシーンは、中盤の「浅はか」チャンミンサイドです。二人が出会ってから付き合う迄の彼女の様子に感情移入し、同じ様にドキドキしました。そして、チャンミンが、彼女がかけがえのない存在だったと気付く辺りに引き込まれました。 (2017年6月13日 19時) (レス) id: 1eac5c6b24 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - コメント頂いた皆様、ありがとうございましたー！とりあえず、短編のような形で新作ご用意しました。Ｒoomの方に遊びに来てもらえると嬉しいです♪ (2017年1月15日 0時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
makimaki(プロフ) - 読み直してきましたぁ(^^♪遅ればせながら明けましておめでとうございます！いゃ〜ニャンミンいいですね。続編楽しみです。エピソード方式で読切が希望です(≧▽≦)テヘッ (2017年1月11日 7時) (レス) id: ca46b8282c (このIDを非表示/違反報告)
shine(プロフ) - なおさん、ご挨拶が遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。私は、なおさんが生活リズムを崩さず、負担にならない方がいいなぁと思います。ツンを極めた「ニャンミン」楽しみにしてま〜す。 (2017年1月10日 19時) (レス) id: 9ab110f08c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2016年11月21日 13時
