〜Kyuhyun〜Always give me kiss?

行かないで ページ39

キュヒョン「降りたら次は大通りを西に向かって歩いて。」


まるで伝言ゲームのようにキュヒョンから行き先の電話が鳴る


A「ちょっと！いい加減にっ・・！」


キュヒョン「あっ、角曲がった？
そうしたら、次は・・・」


目の前には巨大交差点


ネオンが煌めくビル街の真ん中に大きなスクリーンがあった


キュヒョン「そこ、見上げてて。」


A「は！？」


キョロキョロ辺りを見渡す


キュヒョン「バカ。
その大きなスクリーン。」


大きな音でＣＭが流れる画面を見上げた


A「え？なに？
このサロンパスのＣＭ？」


キュヒョン「違う違う違う！汗」


大きな音で掻き消されそうな電話の声




一瞬シンと静まり返った


A「メッセージ・・・？」


画面に浮き出てきたのは家族や恋人へ送るメッセージの文字



『お母さん、いつもありがとう』


『結婚してください』


ありきたりの文字の中にひとつ





『勝手に行かないでください』




A「・・・なにこれ。」


ポカンと見上げる私


勝手にって・・・


A「これ、キュヒョンが書いたの・・・？」


なんだか・・・


嬉しいんだけど・・・


意味が分からないような・・・




首を傾げて戸惑う私の背後から


ふわっと体温を感じて固まった


俯いた視界に見えるのはその筋張った腕と満開の花束だけ



A「な、なに・・どうしたの？」


突然の展開に頭の中までフリーズしてしまった



キュヒョン「俺・・・今日一日考えたんだけど・・・」


赤いバラの花束なんて


笑いたくても泣けてきちゃう


キュヒョン「・・・・無理。」


A「え？なにが？」


キュヒョン「おまえはいいかも知れないけど・・・俺は無理なの。」


なに言ってるの？



キュヒョン「『頑張って行ってこい』って言おうとしたんだけど、
無理。おまえ居ないのは、俺が無理なの。」


私のドキドキする心臓の音


聴こえる？


私はキュヒョンの音、聴こえてるよ？


キュヒョン「行くなよ・・・
行かないで・・・」


小さく掠れてしまう声


雑踏の中でふたりだけの空間


息が止まりそうなくらい


あなたが愛おしい。

勢い→←寂しい

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す