共有 ページ21
翌月
３人のスケジュールが奇跡的に重なって、私は羽田からソウルに飛んだ
ガラガラとスーツケースを引いて、チャンミンが取ってくれたホテルへとチェックインする
首からぶら下げているのは、愛用している私のカメラ
A「・・・・。」
手に取る度に、思い出すのはチャンミンと出逢ったロンドンでの出来事だった
久しぶりにロンドンの景色が見たくなって、再生ボタンに指を掛けた
プップー
顔を上げると、道路脇にすでに停まっていたチャンミンの車
鳴ったクラクションに驚いて駆け寄った
チャンミン「カメラに夢中で気が付かなかったでしょ。笑」
導かれた黒塗りの車で、初めてチャンミンの運転する姿を見た
A「最近カメラ、撮ってる？」
チャンミン「なかなか忙しくて・・・
あの旅行していた毎日が最後ですね。」
長く旅行していたあの頃
チャンミンは１００枚以上の写真を撮り貯めていた
チャンミン「今度、ちゃんと見せてあげますからね。」
A「うん。」
共有できる趣味に、心が和む
あなたのカメラを見られるのは
私だけだって思いたい
チャンミン「着きましたよ。もうソウンさん待ってます。」
心に重りが乗っている感じ
でも取り払った笑顔で、私は店内に足を踏み入れた
ソウン「初めまして。」
私が入って来るのを待っていたように、立ち上がってお辞儀をした
綺麗な黒髪が流れる
その姿を目の当たりにして、私は絶望的な気持ちになった
A「よろしくお願いします。」
チャンミン「まぁ、座りましょう。」
ひとり嬉しそうなチャンミン
言葉が通じない私は、時々通訳してくれるチャンミンとその隣のソウンさんの会話に耳を傾ける
韓国語で楽しそうに話すふたり
仕方なく焼酎をグイグイ飲む私
なんだか・・・とても居ずらい
時々、にこにこして私の方を見ているソウンさんに
苦笑いしか返せなくなった
チャンミン「Aさん、今日おとなしいですね。」
A「・・・そうかな？」
チャンミン「ソウンさん、カメラに興味あるそうです。」
私の隣に置いてある大きなカメラ
チャンミン「僕の旅行の写真を見て、自分も始めたいらしいんです。笑」
・・・見たんだ、ソウンさん
チャンミンのカメラ・・・・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1237人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なお(プロフ) - shineさん» きゅーっとなって頂けたら、作者としては一安心しました。そうですね。全く触れられない程遠い関係ではないので余計切ない。想いが募るばかりですよね。まだチャンミンはなにもわかっていないので、ここからの展開が難しいなぁと思いつつあります。 (2015年10月30日 23時) (
レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - かのかさん» この表現、いつ出そうか狙ってたところに、チャンミンが失恋！これはいいきっかけだな、と← 落ち込んでるときって、何気ない風景が悲しく見えたりしますよね。次章もお付き合い頂けると嬉しいです♪ (2015年10月30日 23時) (レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
shine(プロフ) - なおさん、1章終わり、お疲れ様でした。心がきゅーっと締め付けられました。触れられる距離に居るから余計に、心の距離を感じてしまって切ないです。 (2015年10月30日 11時) (レス) id: 9ab110f08c (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - 東京タワーも泣いてる………(T-T)(T-T)(T-T) (2015年10月29日 22時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - amiさん» やん♪ありがと。雨に濡れた東京タワーを思い浮かべながら、切ないラストにしてみたよ。結局この章ではライバルとフラグして終わったっていうね。ヒロインなのに見せつけられて終わり。笑 最強のドS展開にしてみました。いつも応援励みになるよ。ありがとう！ (2015年10月29日 17時) (レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2015年10月2日 22時
