いたずら ページ1
女の一人旅に、単純な憧れがあった
ひとりでスーツケースとパスポートをぶら下げて、今居る現実から飛び出していくような旅
何もかもひとりで決めて、自由気まま
空を見上げたら夕陽に染まる雲にフィルターを向けて
流れる雲と歴史が刻まれた建物
その周りに居る子どもたちや飛んでいる鳥
そんな漠然としたものが撮ってみたい
今まで自由がなかった分
余計にそんな旅に憧れた
初秋のロンドン
街は丁度紅葉のシーズンを迎えていた
A「寒っ！寒すぎる！！」
ぶるっと身震いして、自分の着て来た格好に心底後悔した。
A「日本とそんなに変わらないって書いてあったのに、嘘ばっかりじゃない・・・」
日本に居る時にネットで調べた現地の気温は２０℃
朝晩はさすがに冷え込むだろうと、ダウンは用意してきたけれど
昼間のこの寒さは想定外
薄手のトレンチコートにストールをぐるぐる巻きにして、とりあえず口元まで覆った
有名なウェストミンスター宮殿の周りを散策しながら、
橋の上から見上げるビックベンにシャッターを切る
外観だけで感銘を受けてしまう
A「・・・綺麗。」
ポツリと呟いて、カメラから顔を離した
大きな建物の下に佇んでいるだけの自分は小さい存在に思える
それは決して悪い意味ではなくて
歴史に培われたこの風景を前にしたら
自分の悩みなんてちっぽけに感じるから
運転手『お客さん、今夜は天気が崩れるらしいよ。』
A『え？本当？』
ホテルの場所までタクシーを拾ったその車内
白い立派なひげを生やした、恰幅のいい運転手が教えてくれた
A『昼間はお天気だったのに・・・』
運転手『ロンドンの天気は移り変わりやすいんだ。
あんた、観光客かい？
そんな寒そうな格好してたら風邪ひくよ。』
流暢過ぎる英語は途中何度か聞き取れなくなったけど
身振り手振りのその運転手の言いたいことは理解した。
運転手『よい旅を！そしてよい出逢いを！』
A『ありがとう。』
手を振って見送られて、ホテルの中に入った。
空は夕立前の薄暗い空
お腹が空いた私は、雨のことより調べていたレストランに行きたくてしょうがなかった。
そこでまさか
あんな運命のいたずらが待ってるなんて。
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なお(プロフ) - shineさん» きゅーっとなって頂けたら、作者としては一安心しました。そうですね。全く触れられない程遠い関係ではないので余計切ない。想いが募るばかりですよね。まだチャンミンはなにもわかっていないので、ここからの展開が難しいなぁと思いつつあります。 (2015年10月30日 23時) (
レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - かのかさん» この表現、いつ出そうか狙ってたところに、チャンミンが失恋！これはいいきっかけだな、と← 落ち込んでるときって、何気ない風景が悲しく見えたりしますよね。次章もお付き合い頂けると嬉しいです♪ (2015年10月30日 23時) (レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
shine(プロフ) - なおさん、1章終わり、お疲れ様でした。心がきゅーっと締め付けられました。触れられる距離に居るから余計に、心の距離を感じてしまって切ないです。 (2015年10月30日 11時) (レス) id: 9ab110f08c (このIDを非表示/違反報告)
かのか(プロフ) - 東京タワーも泣いてる………(T-T)(T-T)(T-T) (2015年10月29日 22時) (レス) id: 171b30f749 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - amiさん» やん♪ありがと。雨に濡れた東京タワーを思い浮かべながら、切ないラストにしてみたよ。結局この章ではライバルとフラグして終わったっていうね。ヒロインなのに見せつけられて終わり。笑 最強のドS展開にしてみました。いつも応援励みになるよ。ありがとう！ (2015年10月29日 17時) (レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2015年10月2日 22時
