慰め ページ3
心臓が止まるかと思った。
こんな冗談に面白く返せるほど
私は完璧な女じゃない。
A「・・はは、あはは 笑
こんな席で冗談は勘違いされるから、やめた方がいいよ。」
軽く握られていた指を外そうとすると
今度は痛いくらいの力で握られた。
驚いて顔を見上げても、にこりと笑うだけ。
A「・・・君、私の歳知ってる？」
「知らないですよ。・・・俺達今日初めて会ったんでしょ？」
A「来月３０。三十路！」
「・・・で？」
A「で？って・・・
驚かないの？」
握っていない方の手で器用にフォークを使ってローストビーフを口に運んでる。
「別に。」
・・・うそだ。
こんな若くてカッコいい子のストライクゾーンが
わざわざアラサーなわけないじゃない。
A「・・・分かった。
慰めてくれてるんでしょ？」
「は？」
A「来月３０を迎えるっていうおばさんが
こんなところで一人寂しそうな顔してたから、慰めてくれてるんだ。」
このひねくれた性格、なんとかならないものかなと自分でも思う。
私がもし男だったとしても、こんな卑屈になってる女は嫌いだ。
「・・・・。」
ほらね。
黙っちゃったじゃない。
なんだ・・・
やっぱり
からかわれてるだけじゃない。
きつく結ばれていた指をほどくと、急に虚しさが込み上げてくる。
期待なんかしてたわけじゃない。
でも
だったら
こんなふうに冗談も言わないで欲しい。
A「ごめん。
こんな席だもんね。
ちょっとくらい冗談言っただけで、重いよね。
・・・本当にごめん。」
盛り上がれる話術も
共通の話題もない。
このまま、向かいの席に座ってても
気まずく時間が過ぎていくだけなのかな。
「さっき、興味あるって言ったでしょ？」
パッと顔を上げると
店内のトーンダウンしたライトに照らされた
すっと鼻筋の通った綺麗な顔。
「慰めて欲しいんですか？」
迷路に迷い込んだのはあの夜からだった。
どこか掴めない。
本心が分からなくて、警戒している私の心を翻弄する。
３０年生きてきて
少しは恋愛経験がある、と自負していた私なんて
君の前では一瞬で覆されてしまう。
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ミルクティ(プロフ) - 楽しく一気に読ませて頂きました。お見合いの場面でチャンミンが現れた時は期待半分のドキドキでした。二人、気持ちが通じ合えて良かったです。彼女との出会いが医者になるきっかけになっていたのですね！夢を叶えていつでも誠実なチャンミンがカッコ良かったです。 (2017年6月12日 15時) (
レス) id: 1eac5c6b24 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - なおさん» いいのです。溢れ出す妄想！またそれを読める私達。なおちゃん、それでいいのです。悩むな！悩むな！書け！書け！書くんだ！なおちゃん(//∇//) (2015年6月26日 19時) (レス) id: 2c21ad0cad (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - wakaさん» wakaちゃん、お久しぶり！一度自分で決めたことでも、溢れ出す妄想の行き場がなくて笑 結局書いてしまう自分に嫌気がさすよー。 (2015年6月26日 19時) (レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
waka(プロフ) - だから、辞めなくていいって（笑）しばらく来れてなかったから。なおちゃん、楽しみにしてるからね(￣∇￣) (2015年6月26日 0時) (レス) id: 2c21ad0cad (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - かのかさん» かのかしゃん！お久しぶりです。ぎゅーーんときてくれた？笑 すっごく嬉しいよ。ノンリアルは本当自信がないので、いつもドキドキしながら更新。そう言ってもらえると書いて良かったなぁと思えます。最後に一言。チャミペンじゃなかったんかーい！知らなかったよ！笑 (2015年6月21日 22時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2015年5月7日 23時
