ライブ ページ34
悩んで、悩んで、悩んで。
結局来てしまった。
来てもなお、まだ帰ろうかと考えている決心のつかない私。
広い国立のライブ会場。
開演を待つファンの波は圧倒されるほど多くて、どこに居ればいいのか分からない。
・・・場違いな気がしてくる。みんな若くて、熱心なファンの子たちばかり。
中央ステージの最前列、ど真ん中の席。
本物のファンしか入ることを許されないような、特別な席。
ふと、小さくため息をつくと。
「やっと、やっと、カムバックだね。
こんなに近い席から、本当にチャンミンが見られるんだね・・・」
私の隣に腰掛けていた二人組の若いファンの子たちは、嬉しそうに泣いていた。
その様子を見ていて、また複雑な思いがした。
３時間弱のライブは圧巻だった。
素人の私でも、分かる完成度の高さ。
あんなに迷って来たくせに、複雑な思いなんか忘れて。
一生懸命にペンライトを振っていた。
途中、チャンミンは何度も私の前を通り手を差し伸べてリズムをとる。
その度に周りのファンは大歓声をあげて、私はどうしていいか分からずに俯いてしまった。
ライブが終わると、全身の力が抜けてしまいそうだった。
「また、来ようね、絶対！」
隣の二人組の女の子たちは、キラキラとした目を真っ赤に腫らして話していた。
ダンスでは熱狂して、バラードでは静かに泣く。
そんな想いを人に与えられるなんて。
すごい人たちなんだな。
私には、やっぱり・・・
ＰＰＰＰ・・・
会場の外に出て、帰路に着くとメールが鳴った。
『本当は会って話したいけど、打ち上げ抜けれなくて会えそうにない。』
どこかホッとした自分がいた。
『今日は来てくれてありがとう。
すごく嬉しかった。』
アンコールで汗だくになったチャンミン君の笑顔を思い出した。
『でも
俺の存在を遠く思わないで欲しい。
俺はまだ、本当の気持ちをあなたに話してない。』
見透かされてる。
『私の』チャンミン君を、遠く感じて寂しかったこと。
チャンミン君を誇らしく感じて、同時に私の知らない彼を知ってしまった気がした。
私も、まだあなたに話してないことがたくさんある。
A「・・・明日、会いに行くね。」
私は、夜空にいる彼に向かって話し掛けた。
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なお(プロフ) - 環琉さん» こちらこそ、読んで頂きありがとうございました！ (2018年9月25日 21時) (
レス) id: 460cbb2093 (このIDを非表示/違反報告)
環琉(プロフ) - なおさんこんにちは。いつも素敵なお話ありがとうございます。 (2018年9月16日 11時) (レス) id: 3c1ded918f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティ(プロフ) - こんばんは。一気に読ませて頂きました。今は亡き彼の墓前で「彼女を貰っていいですか？」って言うシーンには胸打たれました。チャンミンを良く理解しているギュのシーンも楽しかったです。最後は幸せな気持ちになりました。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 1eac5c6b24 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - なつさん» なっちゃーーん！元気？こちらは元気よ。仕事忙しいっす。相変わらず新作も書くことなく。でも暇だから（笑）見直して修正しちゃう。待たせる時間もドＳだからね。ちょっとずつ。苦しくなる、超重い話が書きたい。最近私病んでるからねw (2017年3月17日 22時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - hakuさん» わー！すごく嬉しいです。コメント苦手なのに送ってくださってすごく励みになりました。最近更新ないですが、また現れたらこっそり遊びにきてくださいね。こちらこそいつもありがとうございます！ (2017年3月17日 22時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2014年6月5日 13時
