俺だけーＣhangmin sideー ページ31
カムバックの準備がいよいよ大詰めを迎えていた。
今週は三日間の日程で、事務所主催のライブで台湾へ。
時差の都合でまだ寝ていた俺は、携帯の着信にまったく気が付かなかった。
Aさんからの着信・・・掛け直した方がいいよな？
でも・・・海外から掛けてるってバレるかも。
そうしたら、旅行に来てるとかなんとか言って・・・
あぁ。嘘に嘘を塗り固め始めて、収集がつかなくなりそう。
なんとなく気が重たくなって、電話はそのまま折り返せなかった。
「「お疲れ様でしたーー！」」
夜になって、事務所メンバーとスタッフ全員で打ち上げだった。
チエル「オッパ、お疲れさまです。」
カウンターで酒を注文していた俺の真横に来て、優しく微笑む。
チャンミン「お疲れ。チエルは二件目行かないの？」
チエル「私、オッパに話があるの。
向こうに来て。」
俺の袖を引っ張りながら、外のテラスに向かって行く。
中の喧騒から離れて、やけに静かだった。
チエル「あ、満月。」
ふと空を見上げると、初秋の大きな満月が見える。
Aさんと出逢った、夏がもうすぐ終わる。
チャンミン「・・・ソウルでも、見えてるのかな。」
ソウルに一人で居るAさんが急に恋しくなった。
チエル「・・・・。
オッパ。あの彼女と、契約切ってよ。」
ゆっくり、チエルの方を振り向くと唇を噛んでいる。
チャンミン「なに、その言い方。」
チエル「オッパはなにも分かってない！！
私と彼とのこと、あんなに真剣に怒ってくれたのに。
同じように体裁で付き合うなんて馬鹿げてる！」
・・・Aさんに、チエルと同じ思いをさせてるなんて。
チエル「私、オッパが辛くて寂しいなら、側にいる。
側にいたいの・・お願い。」
寄り掛かるように俺の胸に顔を埋めた。
俺は・・・あの朝、Aさんに約束したんだ。
寂しい時は、あなたの側にいてあげるって。
だから、俺の側にもいて欲しいって。
縛ったつもりだった、
あなたがどこにも行かないように。
抱き締めたかったはずのチエルの華奢な身体に、腕が回せない。
分かってる、本当は
Aさんにただの大学生の俺だけ、見て欲しかったんだ。
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なお(プロフ) - 環琉さん» こちらこそ、読んで頂きありがとうございました！ (2018年9月25日 21時) (
レス) id: 460cbb2093 (このIDを非表示/違反報告)
環琉(プロフ) - なおさんこんにちは。いつも素敵なお話ありがとうございます。 (2018年9月16日 11時) (レス) id: 3c1ded918f (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティ(プロフ) - こんばんは。一気に読ませて頂きました。今は亡き彼の墓前で「彼女を貰っていいですか？」って言うシーンには胸打たれました。チャンミンを良く理解しているギュのシーンも楽しかったです。最後は幸せな気持ちになりました。 (2017年6月8日 21時) (レス) id: 1eac5c6b24 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - なつさん» なっちゃーーん！元気？こちらは元気よ。仕事忙しいっす。相変わらず新作も書くことなく。でも暇だから（笑）見直して修正しちゃう。待たせる時間もドＳだからね。ちょっとずつ。苦しくなる、超重い話が書きたい。最近私病んでるからねw (2017年3月17日 22時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - hakuさん» わー！すごく嬉しいです。コメント苦手なのに送ってくださってすごく励みになりました。最近更新ないですが、また現れたらこっそり遊びにきてくださいね。こちらこそいつもありがとうございます！ (2017年3月17日 22時) (レス) id: b5966abb7b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2014年6月5日 13時
