封印 ページ22
ずっと、ずっと、あなたに抱き締められる夢を見てきた。
会社に入社してすぐ、新人研修の私に指導員として就いたのがユノさんだった。
A「あ、あの・・・取引先、急がなくていいんですか？汗」
ユノ「あぁ。今日はAとゆっくり話をしようと思っただけ。
ここの喫茶店は、マスターが淹れてくれるコーヒーが美味いんだ。笑」
ポカンと突っ立っている私にお構いなしで、ユノさんは楽しそうにマスターに向かってコーヒーを二つ注文する。
研修にピリピリし過ぎて、ちょっと精神的に余裕がなくなってきていた頃。
真面目で仕事に妥協を許さないはずのユノさんが、初めて「サボろう」と言った。
ユノ「どう？会社、楽しい？」
A「まだ、正直余裕がありません。
目の前のことに精一杯で・・・」
コーヒーをすすりながら、目を細めて笑った。
ユノ「Aはさ、ちょっと真面目すぎるんじゃない？
もっと肩の力抜いたら、どう？」
真面目を絵に描いたように見えるユノさんに、そんなふうに言われるなんて思ってなかった。
ユノ「俺だって、たまには外回りで息抜きしたい時はあるよ。
ずーっと気を張ってたら疲れちゃう。
そんな時は、ただお客様のところで世間話するだけだっていいんだ。」
A「ユノ先輩でも・・・サボることがあるんですね。」
ユノさんは、片目をウインクして唇に指を当てた。
ユノ「サボってること部長に言うなよ？
俺たちだけの秘密、な。笑」
心臓がトクンと跳ねた。
いつでも私のことを気遣ってくれて、何気なくサポートしてくれる。
デスクから、ユノさんの姿を眺めることが日課になっていった。
ソユンさんという彼女が居たことは知っていた。
大学時代からの同級生。
もう私の入り込む余地なんて、最初から無かった。
ただただ、毎日の光景にあなたが居るだけで幸せだった。
想いを伝えることなんて、ましてや成就させようなんて。
初めから、心の奥底に封印していた。
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なお(プロフ) - ひみさん» コメントどうもありがとうございました。私にとってもこのお話は一気に読者様の目に触れることになった思い出深い作品です。今現在は他のお話も書いていますので、もしよろしかったら遊びに来てくださいね。 (2015年9月3日 22時) (
レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
ひみ(プロフ) - 好きだなー。素敵なお話でした。 (2015年9月1日 23時) (レス) id: 153405762e (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - さくらさん» さっそくなんですが、本日ＰＷ開きましたー！楽しみにして頂いてありがとうございます！続編はプレッシャーもある、不安もありですが、楽しみながら書いていけるといいな。また読んでやってください。＾＾ (2014年9月7日 23時) (レス) id: 53a6debf61 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - あっきさん» いえいえ、公開遅れていましたがなんとかＰＷ開けました。遅くなって本当にすみませんでした。楽しんでやってくださいね！ (2014年9月7日 23時) (レス) id: 53a6debf61 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - さと☆さん» ＰＷ解除致しました。＾＾せかしてもらってちょうどいい、腰の重たい作者です。これからもよろしくお願い致します。 (2014年9月7日 22時) (レス) id: 53a6debf61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2014年7月23日 22時
