先約 ページ19
A「じゃあ、私こっちの駅だから。」
店を出るとすぐに、チャンミンとソナちゃんに別れを告げる。
ソナ「本当に楽しかったです。
また行きましょうね。」
今度もし一緒に行くことがあったとするなら
その時は、もうソナちゃんはチャンミンの彼女になっているんだろう。
チャンミン「俺も、こっちだから。」
え？なんで？
住んでる駅が正反対の私たちは、ここから先に一緒に帰ったことはない。
ソナ「え、チャンミンさん逆なんじゃ・・・」
一緒に帰るつもりだったらしい彼女が、必死になって止めようとする。
チャンミン「俺、こいつ送って行かなきゃいけないから。」
A「え・・・いいよ、別に。
ソナちゃんと一緒に帰りなよ・・・」
チャンミン「うるさい。」
こっちには目もくれずに、グイグイ腕を引っ張って連れて行かれる。
繁華街のメインストリートには、飲み会帰りの人たちで溢れかえっていた。
腕を強く引っ張っていた手の力は段々弱まっていって
とぼとぼと二人で歩く頃には、チャンミンのその大きな手は、
私の掌をぎゅっと握っていた。
A「どうしたの？
嫌なことでもあった？」
いつもチャンミンが怒ってたあと優しくなるのは、大概そういう時。
だから私はなだめるようにチャンミンの話を聞いてあげる。
チャンミン「嫌なことばっかりだよ、毎日。」
足を止めてフッと空を見上げた。
A「分かるよ。
社会人って、嫌なことばっかりの毎日だよね。」
本気で慰めるつもりでそう言ったのに。
きょとんとした顔で私を見て、大声で笑い始めた。
A「・・・なに。」
チャンミン「笑
ん？やっぱおまえって、いいなぁって。」
意味分かんない。
でもおかしそうに笑っているチャンミンを見たのが久しぶりで。
私も嬉しくなって、つられて笑った。
チャンミン「日曜日、行くなよ。」
突然真剣な顔になった。
A「え・・・？ユノさんのこと？」
チャンミン「俺との約束、忘れてましたって言って。」
A「・・・向こうが先約じゃん。」
チャンミン「いいの。
今約束したから、俺の方が優先。」
いたずらっぽく目を細める。
またまた意味分かんないけど。
楽しそうなチャンミンに、「うん。」と返してしまっていた。
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なお(プロフ) - ひみさん» コメントどうもありがとうございました。私にとってもこのお話は一気に読者様の目に触れることになった思い出深い作品です。今現在は他のお話も書いていますので、もしよろしかったら遊びに来てくださいね。 (2015年9月3日 22時) (
レス) id: 39eb0052e1 (このIDを非表示/違反報告)
ひみ(プロフ) - 好きだなー。素敵なお話でした。 (2015年9月1日 23時) (レス) id: 153405762e (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - さくらさん» さっそくなんですが、本日ＰＷ開きましたー！楽しみにして頂いてありがとうございます！続編はプレッシャーもある、不安もありですが、楽しみながら書いていけるといいな。また読んでやってください。＾＾ (2014年9月7日 23時) (レス) id: 53a6debf61 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - あっきさん» いえいえ、公開遅れていましたがなんとかＰＷ開けました。遅くなって本当にすみませんでした。楽しんでやってくださいね！ (2014年9月7日 23時) (レス) id: 53a6debf61 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - さと☆さん» ＰＷ解除致しました。＾＾せかしてもらってちょうどいい、腰の重たい作者です。これからもよろしくお願い致します。 (2014年9月7日 22時) (レス) id: 53a6debf61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2014年7月23日 22時
