幸せ ページ41
泣いて泣いて。
涙が枯れるほど泣いても、必ずせわしない朝はやってくる。
チャンミンがいなくても、私の中の日常は変わりなく動いていて。
お互いの気持ちのすれ違いは一体なんだったんだろう。
思い出そうとしてももう記憶から薄れていく。
空港で思わぬ別れ話になってしまってから半年。
連絡は一切しなかった。
時々、チャンミンが上海支店でものすごい成績を上げて頑張っているらしいと。
同僚から聞く時に、窓から遠い空を眺めては少しだけ彼のことを思い出してみたりした。
一年後。
私は猛勉強をして昇進試験をクリアした。
あの頃の私より張り合いが出来たのは、きっとチャンミンに負けたくない気持ち。
二年後。
プロジェクトリーダーを務めていた私は、大阪支店に転勤になった。
新しい土地で、新しい仲間。
私の見ている世界はみるみるうちに変わっていって。
必死に頑張っている自分がまたちょっとだけ前より好きになった。
そして、三年目。
「A〜、ただいま〜」
玄関を開けると私の名前を呼びながら、靴を放り投げるように脱ぐ。
A「おかえり〜
ってもう。靴はちゃんと並べてって言ってるでしょ？」
「あ、ごめん。笑
それより今夜のご飯なに〜♪」
のん気な顔して私の話なんて全然聞いちゃいない。
A「今夜はね、もつ鍋作ったよ。
ちょっといつもよりピリ辛にして・・・ちょっと、手は洗ったの？」
「はいはい。笑」
笑いながら、外したネクタイを私に渡す。
「おー！美味そう！」
A「ビールにする？」
鍋を嬉しそうに覗き込む彼に声を掛ける。
「うん、ありがと。A。」
大阪支店に一緒に転勤になって２年。
もうすぐ元の本社にふたりで戻る。
A「ユノは本当もつ鍋好きだよね？笑」
ユノ「昔、出張で行った福岡で食べた味が忘れられないなぁ。
今度Aも連れて行ってあげるからね。」
はふはふ頬張る彼を嬉しそうに眺めていた。
ユノと大阪で暮らし始めて一年。
チャンミンで固く閉ざした心を、慣れない土地で彼は優しく解きほぐしてくれた。
A「美味しい？」
ユノ「うん、Aの作る料理はなんでも最高♪」
穏やかな時間を私にくれる。
ユノの優しさに寄り掛かっていると、幸せ。
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結那 - ユノと結ばれてもいいと思います (2015年4月18日 15時) (
レス) id: 6ad2845574 (このIDを非表示/違反報告)
なっおドラ(プロフ) - こんばんは^^ このお話すごく好きです。どっぷりハマってます。続きが読みたいので、宜しければパスワード教えて下さい。お願いします♪ (2014年11月12日 23時) (レス) id: aacc3f465f (このIDを非表示/違反報告)
らぶ(プロフ) - パスワード教えて下さいお願いします。早く続きが見たいです。 (2014年11月12日 23時) (レス) id: 14713987c8 (このIDを非表示/違反報告)
オウム - 毎回なおさんの作品を楽しみにしてますオウムと申します。こんばんは！第3章がパスワード必要とのことで、初めてメッセージを送りました。私はチャミペンです。2章で、ユノと最後終わっちゃって、、正直苦しいです(笑)。続編期待していますので、よろしくお願いします。 (2014年11月12日 23時) (レス) id: 1bc8c1591a (このIDを非表示/違反報告)
えみり(プロフ) - はじめまして。すべての作品楽しく読ませていただいたいます。続きが読みたいので、パスワードを教えてください。よろしくお願いいたします。 (2014年11月12日 23時) (レス) id: bfd842430a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2014年9月6日 22時
