落書きーChangmin sideー ページ10
数日後、早朝。
朝日が顔を出す頃を見計らって、僕はAと最後に話した公園に向かった。
ポケットに手を突っ込んだまま、少し暖かくなった空気を思い切り吸い込んだ。
あの日の記憶では、大きなこの木の枯葉が北風で揺れていて。
そうだ。
あの日は確か、雨だった。
懐かしい記憶を辿りながら、変わらない遊具のある風景を眺めていた。
おかしいよな。
ユノヒョンからあんな話を聞いたからって。
連絡先を探してみたり、こんな風に思い出を辿ってみたり。
Aの存在なんて、とっくに忘れた気でいたのに。
なんだか自分自身の行動にセンチメンタルになっていた。
誰もいない、ガランとした空間。
あの日、Aは、本当はどんな気持ちだったんだろう。
近くにあったベンチに腰掛けようと、視線を落とすと
そこには、誰かが書いたり掘ったりしたような落書きがいっぱい。
相合傘に、誰かが冷やかして
悪口に、更に上から上書きしてある。
学生の頃、こんなことしたっけな？
考えようとして、なぞっていた視線が止まった。
『チャンミン、ファイティン』
・・・・。
目を凝らして、じっくり見てみる。
懐かしい、丸文字。
他の落書きに埋もれかけていた、小さく擦れた文字。
チャンミンなんて名前、特別珍しいわけじゃないし。
勘違いかも知れない。
でも、なんだかその字は
ひどく僕の心を揺さぶった。
A「もう、チャンミンと私は関係ないんだし。
今さら、こんなふうに会いに来られてももう困る。」
あの時、別人のように刺すような目で言った彼女。
本当は・・・
応援してくれてた？
僕を思って・・・別れたの？
聞きたくても、もう聞きに行けない。
この公園であの日に今、戻れるなら
A、教えてくれる？
チャンミン「俺のこと、好き？」
独り言は、白い息と一緒に煙のように宙に消えていった。
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アスカ(プロフ) - やっぱり何度読んでもなおさんの作品は大好き。素敵です。 (2018年11月25日 21時) (
レス) id: b6b3a6f85e (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティ(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました。ユニさんの彼がユノと分かった時は、その後の展開を期待しながらドキドキでした。チャンミンの、彼女への一途な思いが、凄くカッコ良かったです。最後は、明るい雨の景色が目に浮かび、清々しい気持ちになりました。。 (2017年6月10日 14時) (レス) id: 1eac5c6b24 (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - 最高！！ヤッパリなおさんのお話は最高！初めて最初からバーットよませてもらいました。疲れた気持ちにエッセンスのようです。ほんとうにありがとく（い (2017年3月10日 1時) (レス) id: 8288146af6 (このIDを非表示/違反報告)
motomato(プロフ) - 今まで読ませていただいていなかったかお話、一気に読ませていただいてます^_^切なく可愛い初恋…もう1度確かめる事が出来たのが、ほっこりするしますね(*^^*) (2015年12月27日 20時) (レス) id: e15e9863b2 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - パスワードの申請くださった皆さん、いつも読んで頂きありがとうございます＾＾こんなにコメントで頂けるなんて思ってもみなくて、お手間を取らせて申し訳なかったな。と思っています。現在は誰でも読めるようにパスを外しました！また宜しくお願いします♪ (2014年6月6日 15時) (レス) id: 53a6debf61 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2013年12月8日 22時
