形＜現在＞ ページ34
久しぶりに降り立った故郷。
お父さんとお母さんに会いに来たわけじゃない。
ユニ「私、一回実家に戻ってからユノのところに行くんだけど・・・」
A「私は行きたいところがあるから、大丈夫。笑」
チャンミンとまだ連絡が取れていない私を心配そうに残して、空港を去って行ったユニ。
ユニだってユノさんとの大切な時間。
私が邪魔するわけにいかないし。
A「さてと・・・」
空港の飲食店を横目に、大きなスーツケースをゴロゴロ引いて歩く。
バスと電車を乗り継いで、向かった先。
A「懐かしいーー・・」
変わらない。
この入口に立っている、大きな銀杏の木も。
ピンクの塗料の禿げた滑り台も。
私が落書きした、このベンチも。
A「ふふっ。笑
もう消えかかってる。」
私が書いた頃より、明らかに落書きが増えていて。
雨風にさらされてベンチの色は薄くなっていた。
もう、１０年以上昔。
私はここで、一世一代の嘘をついた。
A「もう、チャンミンと私は関係ないんだし。
今さら、こんなふうに会いに来られても困る。」
あのチャンミンの事務所の人が現れた日から、必死に考えた台詞。
関係ないの。
もう私のことは気に留めなくていいから。
どうか、芸能界で羽ばたいて。
大勢のファンに愛されるスターになって。
あの時、チャンミンが見上げた空はゴロゴロと音を立てていて。
暗い空は私の泣きそうな顔も隠してくれていた。
チャンミン「ごめん！！ありがとう！！！」
なるべくチャンミンの顔を見ないように背を向けて。
零れ落ちた涙が頬を伝うと、ポツポツと雨が降り出した。
恋の形なんて皆違う。
傷付けても側にいたい。
守りたいから胸に秘める。
私はあの頃。
チャンミンが大好きで。
この手を離すことが、チャンミンの幸せだと思ってた。
リンクーChangmin sideー＜現在＞→←答えーChangmin sideー＜現在＞
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 694人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
アスカ(プロフ) - やっぱり何度読んでもなおさんの作品は大好き。素敵です。 (2018年11月25日 21時) (
レス) id: b6b3a6f85e (このIDを非表示/違反報告)
ミルクティ(プロフ) - 楽しく読ませて頂きました。ユニさんの彼がユノと分かった時は、その後の展開を期待しながらドキドキでした。チャンミンの、彼女への一途な思いが、凄くカッコ良かったです。最後は、明るい雨の景色が目に浮かび、清々しい気持ちになりました。。 (2017年6月10日 14時) (レス) id: 1eac5c6b24 (このIDを非表示/違反報告)
yuri(プロフ) - 最高！！ヤッパリなおさんのお話は最高！初めて最初からバーットよませてもらいました。疲れた気持ちにエッセンスのようです。ほんとうにありがとく（い (2017年3月10日 1時) (レス) id: 8288146af6 (このIDを非表示/違反報告)
motomato(プロフ) - 今まで読ませていただいていなかったかお話、一気に読ませていただいてます^_^切なく可愛い初恋…もう1度確かめる事が出来たのが、ほっこりするしますね(*^^*) (2015年12月27日 20時) (レス) id: e15e9863b2 (このIDを非表示/違反報告)
なお(プロフ) - パスワードの申請くださった皆さん、いつも読んで頂きありがとうございます＾＾こんなにコメントで頂けるなんて思ってもみなくて、お手間を取らせて申し訳なかったな。と思っています。現在は誰でも読めるようにパスを外しました！また宜しくお願いします♪ (2014年6月6日 15時) (レス) id: 53a6debf61 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なお
| 作者ホームページ：https://twitter.com/630HiTVXQ
作成日時：2013年12月8日 22時
