狂うほどに愛されて２【オリジナルヤンデレ短編集】 (ページ19)

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救いの手④ ページ19

今度はAが嫌がらせに合うようになった。

最近、Aの持ち物がよく無くなる。

誕生日にお友達にプレゼントしてもらったハンカチ。

他のお友達とお揃いで買ったシャーペン。

とても気に入っていて、毎日のように読んでいた本。

遠くに引っ越してしまったお友達から貰ったストラップ。

盗られる物は全てAが大切にしていた物ばかり。

そして一週間前、Aはとうとう学校に来なくなり、一昨日からはメッセージを送っても既読すらつかなくなってしまった。

【A…今日も来れない？】

【私、Aが来るの待ってるよ！！】

【Aが来ないと、私、1人なんだよね…】

【しつこくてゴメンね…ウザいよね。本当にゴメン…】

【でも私、Aの事、本当に心配で…】

【私、ずっとAの事待ってるよ】

どんなに送っても、既読のつかないメッセージがただ溜まっていくだけ。

わかっていても、メッセージを打ち込む手は止まらない。

返事がある事を期待して、授業が終わる度にケータイを確認してしまう。

…私はただ、あの時のAが私を救ってくれたように、Aを助けたい。

確かに、私は無力で、大した事は出来ない。

それでも、Aの辛さをわかってあげる事くらいは出来る。

励ます事も、辛さを分け合う事も出来る。