狂うほどに愛されて２【オリジナルヤンデレ短編集】 (ページ2)

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地の果てまでも② ページ2

時間が経つに連れて火の勢いは強くなる。

夜の闇を燃え盛る炎が照らす。

辺りはなんとか逃げ出した他の使用人と、騒ぎを聞きつけた野次馬でごった返していた。

…今のところ、旦那様の姿も、お嬢様の姿も見えない。

そんな時だ。

炎の中から、こちらに向かって来る人影を見つけたのは。

「…!!お嬢様、ご無事で何よりです」

…何を言っているんだと自分でも笑ってしまいそうになる。

火を放ったのは自分なのに。

しかし、無事で良かったという言葉に嘘はない。

お嬢様は私の姿を見つけると、安心したのか、糸が切れたようにその場に崩れ落ちた。

焼け爛れた衣服、体の至る所に見える火傷…私はとりあえず、自分のジャケットをお嬢様の肩にかける。

「…私の心配はご無用です。ご覧の通り、大きな怪我はありません」

こんな時まで他人の心配をする。

お嬢様はそんな方だ。

どんな時でも、どんな人間にも、慈悲深く接する所が、本当に旦那様にそっくりだ。

…私はきっと、そんな所に惹かれたのだろう。