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樹side
「ジェシー、ちょっと頼む。
俺、北斗に迎えの電話するわ」
『あっ、ねぇ!絶対しないで!
こんな状態の私見られたくないっ!
絶対捨てられてる!!』
「AHAHAHAHA 絶対そんなことないよ。
北斗、Aちゃんのことで
頭いっぱいなんだから」
だからいい子はお水飲もうねー
なんて言いながらAちゃんが
持って離さなかったジョッキを
いとも簡単にお冷に入れ替えてて。
電話から帰ってくるとやっとお冷を
飲み始めたっぽいAちゃん。
するとどこかで携帯が鳴った。
『出た… 退社後の電話の音。
最近聞きすぎて頭痛い。
お酒飲んじゃってるから
もう仕事できませんよーだ』
可愛らしい表情で
携帯に向かってベー
なんかしちゃって。
でも本当に携帯が鳴り止まなくて。
『だぁーもうっ!!何っ!?』
一回深呼吸をして
電話をスワイプして息を吸い込んだ
と思ったらピタッと止まって。
『樹くん?あっ、ちょっと
待っててくださいね〜』
ん?どういうこと?
『ごめん、樹くんの電話だったみたい』
俺も彼女も白い携帯の本体に
縁が黒いクリアケースをしてる。
ブース席に適当に放っておいたら
彼女も同じようにしてたみたいで。
渡されて誰か見ようと思った時には
電話が切られていて。
履歴を見て
心臓がドキドキし始めた。
かけてきたのは
俺が今好きな子で。
「…チッ。ごめん、俺
電話掛け直してくる!」
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作者名:あいびー | 作成日時:2024年2月4日 12時