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北斗side
ーーー♪
『いらっしゃいませ!』
久々にゆっくりする時間ができて
大好きな“Reverse”にいる
大好きな彼女に会いに来た。
相変わらずキラキラした笑顔で
お客さんのオーダーを取っている。
コーヒーを一生懸命に作っている
姿でさえ愛おしくて、本当は
今すぐにでも抱きしめたいんだけど…。
『今日は何を召し上がりますか?』
「うーん…Aちゃんの
オススメは?」
『オススメですかー?全部だから
どうしよう…あははっ(笑)』
なぁに、名前とか呼ばれちゃってんのよ。
おすすめとか聞かれちゃって
俺と仲良くなった時みたいに
笑顔で答えちゃってさ。
お客さんもお客さんよ?
店員さんと必要最低限以外のことを
話すなんてどんな陽キャよ。
友達のように話してるところなんて
慎太郎とジェシーしか見たことないよ。
最近こういうことが多い。
よく見てみると俺と同世代くらいの
男性とお会計中に会話してるのは
全然稀じゃなくて。
接客業だから話さなきゃいけないのは
十分理解してるつもりなんだけど
やっぱり自分の彼女が他の男に
笑顔振りまいたり、会話してるのは
見てて気持ちいいものじゃないじゃない?
彼女に対する気持ちはもちろん
付き合う前と変わらないんだけど
たまに考えてしまう。
彼女が俺と付き合ってくれたのは
俺の押しが強かったからか?と。
週に数回働いているだけでも
他の男性たちと楽しく会話をしてて
その中にはAちゃんのことを
恋愛対象として見ている人もいると思う。
俺みたいな土日祝日関係ない職業で
初デートが付き合ってから3ヶ月後とか
人目につく場所で一緒にいられないやつ
なんかよりずっと彼女に見合う人が
本当はいたかもしれない。
だけど俺が彼女を好きっていう
独りよがりな理由で彼女を
自分のものにして苦しめてない?
なんて思う今日この頃。
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作者名:あいびー | 作成日時:2024年2月4日 12時