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いつも通り閉店準備をする。
流れていた音楽を止めて
帰る準備をしていると
急に開いた休憩室の扉。
『うわぁっ！！
えっ、何！？誰！？』
「僕のこと覚えてない？」
立っていたのは例の不審者で。
ゆっくり全身から血の気が
去っていく感覚がした。
ドア付近に立たれているから
逃げることもできなくて
絶体絶命状態。
北斗くんを傷つけたから
バチが当たったのかな
なんて思ったりして。
「酷いよ、Aちゃん。
俺のこと警察に言うなんて」
『なんで私の名前…！
で、出てってくださいっ！
警察呼びますよ！！』
情けないくらいに声が
震えているけどこの男は
それを楽しんでるようだった。
私と付き合ってると勘違いしている
ような発言ばかりで恐怖しかなく。
よく見てみると男の右手には
カッターが握られていて
命の危険を感じる。
えっ、もしかして私
今日ここで人生終わる？
最後に北斗くんに会ったの
初の大喧嘩した日？
北斗くんの中の私の記憶
変な浮気女で終わるじゃん！
違うよ、って
貴方のことが一番大好きです、って
傷つけるようなことして本当にごめんね
ってまだ伝えれていない。
北斗くんと仲直りしてないのに
こんなとこで終わりたくない。
必死の思いで叫ぶと
もっと距離を詰めてきて
無意識に悲鳴を上げていた。
それと同時にドアが開いて
樹くんがすごい形相で
男に叫んでいた。
蹴った椅子が男の膝に命中して
衝撃でうずくまった。
安堵からなのか涙が溢れそうで
それまで泣いていなかった自分に
驚いた。
「くっ、、僕を差し置いてそんな
乱暴なやつを選ぶなんて…
お仕置きしなきゃね？」
ゆっくりと立ち上がった男は
膝を庇いながら私たちを目掛けて
カッターを振り下ろした瞬間
カフェのドアが開く音がして
警察の人たちが入ってきた。
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作者名：あいびー | 作成日時：2024年2月4日 12時
