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「ははっ… ここ最近俺と
会いたくない感じだしてると思ったら何？
他の男とほっつき歩いてたんだ」
北斗くんの私を見る目は冷たくて
心臓がゆっくり握りつぶされていくよう。
『違うっ、ちょっと待って』
胸がバクバクして
思うように言葉が出ない。
「堂々と腕組んで歩けるから？
人目気にせず色んなところに行けるから？
周りの目気にせずカップルでいれるから？
俺と出来ないことしたかったから？
不満ないって言ってくれてたの
全部嘘だったのかよ」
彼を、一番大切な彼を
傷つけてしまったことは明白だった。
『本当に待って！一回話しようっ、？』
咄嗟に掴んだ腕は強く振り払われて。
手がジンジンしてるけど
ひどく傷ついた表情で
送迎車に戻って行った北斗くんが
忘れられなくて。
私に傷つく資格なんてないけど
ゆっくりと涙が頬を伝った。
家に入ってからは
ほとんど覚えてない。
呆然とした私をケンちゃんが
家の中に入れてくれて。
北斗くんがお土産で持ってきてくれた
ホットココアを作ってくれて
もっと涙が出てきて。
こんなにも心優しい彼を
傷つけてしまったのか、と
自分を責めた。
今までに見せたことないくらい
泣きじゃくる私をケンちゃんは
そばで見守ってくれた。
優しく背中を撫でてくれて。
「アタシいようか？
泊まってた方がいい？」
『ううんっ、、グズっ
今日は、っ一人で考えたい』
そう言ってケンちゃんには
帰ってもらったけどもちろん
眠れるはずなくて。
気がつけば朝を迎えていた。
泣きすぎで体力を消耗して
そのまま体がシャットダウンしたのか。
手の中にはトーク画面を
開いたままの携帯電話。
何を打てばいいのか分からなくて
何度も打って消しての繰り返し。
正直に話せばいいのかな？
でも今まで黙ってたから
それはそれで信用してなかったのか
って話になるよね。
今更何を言っても
言い訳っぽく聞こえてしまう。
記憶に鮮明に残っているのは
去り際の彼の表情。
ねぇ北斗くん
私たちもう仲直りできないのかな…？
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作者名：あいびー | 作成日時：2024年2月4日 12時
