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北斗side
『れ、連絡先ですか??』
雑音の中でもはっきりと聞こえた。
樹と同じタイミングで
振り返っちゃったじゃないの。
ウキウキでモンクロ食べてたのに
落としかけちゃったし
隣の樹はむせてるし。
「Aちゃんのこともっとよく
知りたいなーって思ってさ」
いや、知らなくていいのよ
その子彼氏いるから。
一方、Aちゃんは
困ったように胸の前で両手を振り
やんわり断ってる。
タジタジしてるところも可愛いなー
なんて思ってる場合じゃないよ、俺!
愛しの彼女が口説かれてるんだよ!?
「あの客ジェシーより
グイグイじゃん(コソコソ)」
「あんまり見かけることないよ
ジェシーよりグイグイなやつ。
それにグイグイ押してる相手が
俺の彼女だしね?(コソコソ)」
だけど押しが強いお客さんは
分かってくれないらしく。
「いいじゃん!お願い!
一回ご飯行くだけでいいから!」
そろそろ痺れを切らして席を
立とうと思ったその時。
『申し訳ありませんっ!
私彼氏… いるので』
チラッと俺の方を見たの
見逃さなかった。
なんだろうね、この優越感。
「彼氏には黙ったままでいいからさ!
俺のこと知ったら彼氏より好きに
なるかもしれないじゃん?」
おいおい、聞き捨てならないね。
樹も痺れを切らしたのか
立ちあがろうとすると。
『あははっそれはないです!(笑)
私こう見えて彼氏に夢中なので』
照れながらも清々しいほどに
言い切ったAちゃん。
さすが、俺が惚れ込んだ女性だよ。
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作者名:あいびー | 作成日時:2024年2月4日 12時